高齢者が好む読み物、若者が好む読み物

先日来、高齢者のページビューが増えたので動向を分析してみた。若年層は情報収集をモバイルに頼る傾向があり、モバイルを辞書代わりに使っているようである。年齢が上がるに従ってモバイルの依存率は減り、PCの依存率が増える。また「週刊誌的(読み物的)」なコンテンツへの人気が高まるようだ。また、若年層はタブレット機器を持っていないが、それ以降の年代では率に変化はなかった。

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ブラウザの分布についても見てみたが、特に年齢による違いは見られなかった。意外とChromeが使われている。高齢者だから全てデフォルトのブラウザーを使っているというわけではなさそうだ。

一般的にインターネットの利用率は60歳代を境に減少すると言われている。また、所帯年収が下がるとパソコンの所持率は減る。つまり、貧しい世帯の老人ほど情報から取り残される傾向があるということになる。しかし、今回の動きでわかったように、Twitter上に高齢者が全くいないというわけではない。高齢者も、Twitterで有名人をフォローして情報収集をしているのだ。

全世代に読まれているもの

ウィリアム・ジェームズ(死にたくなったら)は全世代に読まれている。悩んでいる人は全世代で多いらしい。

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科学的なものに弱い若者

若者は辞書や実用書代わりにウェブを利用している。MBTI(INFJ)、不適切な敬語(やらさせていただく)について、ボーダー柄を着ると錯視が起こるというファッションの話、理系脳は共感が欠落しているという話、立ち泳ぎの練習方法などが若者に読まれている。特徴として「科学的」なフレーバーに弱い。言い換えると、若者は理由付けを必要としている。一方で政治問題への関心は高くない。0001 0002 0006 0010

若者と中年が均等に含まれるもの

政治問題になると壮年期の人たちの流入が増える。若者も一定数含まれる。なんとなく「週刊誌っぽい」ものが好まれるようである。TVニュースをソースにしているような印象がある。

フジテレビで安倍首相が生肉の模型を使って国民を困惑させた話、甘利大臣が陰謀で陥れられたという話、山本太郎議員はバカだという話、フジテレビで奥田愛基氏がTVで田崎史郎さんいディスられたという話。

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二重ルーターの設定に悩んでいる中年も多いらしい。ゲーム機などの設定に困っているのであろう。立ち泳ぎの練習法も幅広い読者層から人気がある。品質管理が得意という嘘についても壮年層の閲覧が高かった。

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中年だけが見ている記事

江川紹子さんのTwitterフォロワーは中年が多いらしい。理由は分からない。孫崎先生のフォロワーは高年齢の人が多いのだが、この2例から中高年は有識者の影響を受けやすいことが伺える。

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政治に興味があり、若者を嘆く老人

若者は政治に参加しないという話は老人のアクセスが多かった。これはほとんどが孫崎享氏のフォロワーだ。かつての全共闘世代が多く残っているのかもしれない。政治に興味がありかつて「改革意欲」に燃えていた人たちだが「政治を変えるにはまず自らが変わらなければならない」という記事には注目が集らなかった。さすがにある年齢を越えてしまうと変わるのは難しいのだろう。革新の高齢化・保守化が進んでいる様子が伺える。

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XPパソコンとUbuntu

最近、リサイクルショップにはたくさんのノートパソコンが売られている。価格は2000円から5000円程度である。なぜ安値で売られているかというと、OSがサポートされなくなったWindows XPだからである。性能はまちまちだが性能的にはまだ使えるものも多い。

こうしたパソコンがサポートされていないという理由だけで使えなくなるのはもったいない。そこで登場するのが無料OSのLINUXだ。最近はUbuntuというのが人気らしく、パソコン関係の雑誌売り場にもガイドブックが出ている。Ubuntuは南アフリカの言葉で「思いやり」を意味するとのことだ。

Ubuntuも当然永久にサポートされているわけではないのだが、Windowsに比べるとインストールしている人が少なくウィルスに狙われにくいと考えられている。そのため、古いパソコンで使っても安心だとみなされているようだ。

2008年ごろに作られたNetnote用にはバージョン9や10あたりが使えるようである。小さな画面用に改良されたバージョンもある。ブラウザーとしてFirefoxが使われており、既存のWindowsやMacintoshとの設定共有ができる。メールソフトやOfficeライクな文章作成ソフトもある。これらはすべて無料である。中古パソコンを手に入れて目いっぱいメモリなどを積みましたら、ソフトウェアはすべて無料で揃えることができるのだ。国際化されているので日本語も問題がないということである。

もちろん問題もいくつかある。AppleはLinuxをサポートしていないらしく、iPhoneとの接続がうまく行かないという。iCloudで連携することはできるのだが、バックアップやバージョンアップなどの作業をしたい人は最新版の「普通の」パソコンが必要だろう。iTunesもないので、音楽や映画をAppleから買っている人は使えなくなってしまう。Googleも2016年には32bit版のサポート(と同時にXPのサポートも)を打ち切るようだ。最新版のChromeを使い続けたければ新しいパソコンを買う必要がある。Google Driveはブラウザー経由で使えるようだ。

簡単にインストールできるようになったとはいえ、やはり初心者の敷居は高い。まずファイルを落としてきて、それをCD(最近のバージョンはDVD)に焼きインストール作業をしなければならない。WIndowsやMacOSの環境を残したいと思うとさらに設定が必要で、これを間違えるとOSの起動ができなくなるそうだ。ちょっとした気力があるとできそうだが、XPもそれなりに動作している(とりあえず、今のところはFirefoxとChromeが使える)ので、なんとなく「いよいよ使えなくなったらやろうかなあ」という気分になってしまう。

なお、OSを変えてしまうとパソコンメーカーのサポートを受けられなくなるので、メインのパソコンではやらないほうが無難だ。設定して動かなくなるとGoogle先生と首っ引きになることは間違いがないので、まともなパソコンは一台確保しておくべきだろう。

i-dioとNOTTV

無料モニターに応募していたi-dioのwifiチューナーが届いた。携帯電話にアプリをダウンロードして使うのだそうだ。3月に放送開始ということで今は何もできない。普通、本格放送前にベータテストくらいやるものなので、本放送開始がそのままテストになるのだろう。開始一ヶ月前を切ったのにアプリもまだ完成していない。なんとものどかな話である。

CIMG7990i-dioのサービスはそれでも先の失敗に学んでいるらしい。失敗とはNOTTVのことだ。NOTTVはVHFアナログ放送の跡地を独占するためにNTTが始めたサービスだった。外資の参入を怖れた政府がNTTに引き取らせたと言われている。結局、コンテンツプロバイダが表れずにNTTと民法連が作った会社が運用することになった。

しかし、加入者が伸び悩み、累積赤字を貯め込んだ結果潰れてしまったのだ。どんなサービスを後継にするかは全く決まっていないらしい。NOTTVのチューナー入りの携帯電話端末を買った人は何も見られなくなってしまうようだ。

i-dioはこの失敗から学んでいるようだ。まず端末を無料で配る事にした。モニターと言っているが実際はベータテストではなく無料配布なのだろう。50,000人に配るそうである。さらに、コンテンツ事業者とインフラの事業者を分けた。そしてコンテンツ事業者を地域ごとに分割した。

i-dioは無料でコンテンツを配信するらしい。NOTTVは有料コンテンツだったのだが、加入者が集らなかった。不思議なことに日本ではお金を払ってコンテンツを買う文化が根付かない。TVには必ずBS/CSチューナーが入っているが、スカパーの加入者は350万人程度なのだそうだ。NHKのBSですら2,000万人の加入者しかいないそうである。有料どころかTVはNHKしか見ないという人も多いのではないだろうか。BS/CSアンテナですら付けるのが面倒だという国民が、わざわざNOTTV対応の端末を買って有料放送なんか見るはずがない。

このように失敗から学んでいるように見えるi-dioだが、懸念もある。wifiを切り替えて使うようなのだが、使っている間は既存のwifiが使えなくなる。携帯電話を想定しているようなので、携帯の電波を使ってwebにつなぐ構想なのかもしれないが、wifi専用のi-padなどではネットにつなげなくなるし、通信料も高くなるだろう。

さらに、ブラウザーではなく専用のアプリを使うようだ。なぜか日本のメーカーは自社技術でユーザーを囲い込みたがる。ブラウザーにHTML5で動画配信するということならばPCでも対応できたはずだが、そのつもりはないのではないかと思う。

ハードウェアも一から作り直す。VHF帯の電波をwifi変換できる機械があれば汎用的に使えるはずだが、細かく分けた上で専用機器を作るのだ。i-dioの他に自治体用に緊急放送を送る機械を作るということである。

ユーザーはいろいろな機械を買わなければならない。デジタルTV、ワイドFM用のラジオ、i-dioチューナー入りのナビゲーションシステムなどなど。汎用タブレットで全部できればそれでよさそうだが、どうしても専用機を作りたいみたいだ。

一連の話を調べていて不思議だったのは、未だに通信と放送が完全に分離されているということだ。法律が違うのだそうだが、実施にはどちらも電波にデジタルデータを乗せているだけなのである。技術的には放送電波にYouTubeを乗せて、それをwifi変換してパソコンで見るということもできるのだが、法律の体系だけはラジオが登場したときと同じ区分を使っているのである。

Twitterを分析する

Twitterにアナリティクスという仕組みがあり、ツイートの反応を分析することができる。分析の目的の目的は「今夏の選挙で立憲主義を争点にすると負けますよ」ということの証明なのだが、その他にもいろいろなことが分かるのでご紹介したい。

政治にだけ着目すると「左派インテリ」への反発が強まっており、立憲主義や民主主義を守りたいという欲求は退潮しているということが分かる。左派も民主主義を守りたいわけではなく、安倍晋三という人そのものに反発しているのではないかと思われる。

それ意外だと「自分に関係あること」の反応率は高いが、それ以外のことには関心が高くない傾向もありそうだ。

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立憲主義を争点にすると負けます

まず、メインテーマから。立憲主義への関心はほとんどない。閲覧数も少ないし反応率も今ひとつ。つまり、興味を持っている人は少ないのではないかと思われる。また左派インテリへの反発も強そうだ。

甘利問題もあまり興味を引かなかった。金権政治家への風当たりは弱まっているらしい。ただし「甘利さんは陰謀で陥れられた」と思っている人は多いらしい。検索経由での閲覧が多かった。黒幕を探していた人もいた。甘利問題は金権政治の問題ではなく陰謀論として捉えられているのだ。

その他興味を引かなかったもの

TPP、電力自由化なども興味を引かないらしい。Twitter Analyticsによると、フォロワーで最も多いカテゴリはテクノロジーに興味がある人らしいのだが、テクノロジー関係のツイートも興味を引かなかったようだ。「新製品が出た」とか、そういう話題が受けるのかもしれないが、よく分からなかった。また格差問題には関心が集ったが生活保護に関するツイートはあまり関心を集めなかった。生活には不安を感じているが生活保護を受ける程度には至っていないと考える人が多いのではないかと思われる。生活保護に関する拒否反応はよく語られる。やはり「恥だ」という認識なのかもしれない。

どのようなツイートが受けたのか

逆に、反応が良かったり、インプレッションが伸びたものは下記の通り。

個人に訴えかけるもの

立憲主義はあまり関心を集めないのだが「安倍政治を続けさせたくない人に読んで欲しい」というツイートの反応率は良かった。個人に訴えるとよいのだろうかと思った。また、安倍晋三個人への反発が強いのかもしれない。

個人に関係があるもの

金融で統計を取ると関心はあまり高くなかった。そこで金融のテクニカルなつぶやきと口座維持手数料に分けてみると顕著な違いが出た。「マイナス金利」のニュースに際して「自分の銀行の手数料が高くなるか」ということが関心の対象になっていて、それ以外は、言葉は悪いが「どうでも良い」ことなのだ。

弱い犬を叩くもの

「民主党のていたらく」と名付けたのは、民主党は解党すべきとか、経済政策がないというもの。どうやら民主党は、否定的な感情を持つ人たちから監視されているらしい。ネット右翼が韓国に詳しくなるのと同じ理屈なのだろう。これらのツイートはインプレッションを稼いだ。逆に擁護したり提案しても全くと言っていい程反応はなかった。

懐疑心

読みが難しいものもあった。これが今回のトップツイートとなった。組体操は憲法違反だという木村草太氏へのツイートに反応したもの。「議論」というラベルを付けた。

「社会が大きな目的を達成するためには個人の犠牲はやむ終えない」というのが、校外の合意となり法制化されたら、やはり法律は尊重されるべきなのだろうか。

いくつかの読み方ができるが、左派インテリ層(「戦争は良くない」などという学校の先生みたいな人)への反発のようなものを感じる。立憲政治を守りたいというツイートが無反応なのと一対になっているのではないかと思える。もう一つインプレッションを伸ばしたのがこれ。哲学者の永井均氏に宛てたもの。

この論法だと安倍政権の憲法改正も民主主義を通じた真摯な普遍道徳の追及だということになると思うですが、永井先生はこの説を支持なさいますか。支持しないとすると「徳」のような判断スイッチを外に置かざるをえなくなると思うのですが。

自民党の憲法案への賛成票であればまだ良いと思うのだが「左派インテリが困った顔をするのが見たいから」というルサンチマンで憲法改正案が成立してしまうのだとしたらかなり問題が大きいのではないかと思う。

その他

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その他受けたものをいくつかご紹介したい。まず民主党の長島昭久議員との間のやりとりで「愛国心」に関するもの。広がりは全くないのだが、反応率が高かった。キーワードは「保守」や「愛国心」。こうした言葉に対する反応率の高さは意外だった。しかし、質には少し違和感がある。グローバル化や左派インテリへの反発が重なっているのではないかと思う。これについては少し考えた方がよいかもしれない。

また松田公太議員との間のやり取りも反応があった。こちらも広がりはない(多分世間一般への関心は高くないのだろう)が、反応率が良かった。根強いファンが付いているのかもしれない。

トリビアも反応率が高かった。福岡県の京都郡がきょうとではなく「みやこ」と読むというもの。どうでもいい話だが、こういう軽い話題は受けが良いようだ。

その他ジャンルが受けたように見えるのは、受けが良いものだけをその他に入れたからだ。山本太郎議員が北朝鮮反対の決議に加わらなかったことを非難している人がいたので次のように呟いたら6700回閲覧された。プロフィールを見に来る人がやたらに多かったので「こいつは左翼(あるいは山本太郎のシンパ)だろう」と思われたのではないだろうか。

自民党の議員さんの中にも北朝鮮への非難決議を拒否した方が大勢いらっしゃったようです。先生はこの件について何か御存知ですか?

調査の方法

まずTweet Analyticsを使ってデータをエクスポートした。どの分野のツイートなのかは手作業で入力した。今回は20のカテゴリーに別れた。金融をサブカテゴリに分けたので、合計で21になる。カテゴリごとのインプレッションを合計し、ツイート数で割った平均を横軸にとり、反応率を縦軸にとった。反応率には、URLの押下・プロフィールの閲覧・いいね・リツイートの数などが含まれる。よって、反応率は「賛同率」とは異なる。ツイート数は200ちょっと。

格安コンピュータで日本経済の再生を!

国会で安倍首相が「第四の産業革命」とか言っている。ドイツなんかで流行っているIndustry 4.0を誰かが吹き込んだんだろう。国を挙げてスーパーコンピュータ開発や人工知能開発を目指さねばなどと言う人もいた。「ふーん」とは思うのだが、全く響かない。その理由は、彼らが考える「ハイテク」感が20年くらい遅れているためだ。

最近のコンピューティングのトレンドは「安く気軽に」だ

最近、格安のコンピュータが流行っている。Raspberry Pi Zeroというイギリス製のコンピュータが5ドルで買える。スペックはなかなかのもので1GHzのシングルCPUと512MBのRAMを備えている。電子部品やセンサーと組み合わせて遊ぶ教育用のコンピュータだ。

また、アメリカではCHIPというコンピュータが10ドルで売り出される予定だそうだ。同じようなスペックだが、BluetoothとWIFIが付いているそうである。

コンピュータとその周辺機器は完全にコモディティー化していることが分かる。スタバでコーヒーとチーズケーキを買うより安く付くくらいの価格なのだ。コンピュータで差別化できる時代はとっくに終った。「スマートテレビ」のコンピュータ部品は5ドルもあれば作れてしまうようなものなのだ。

近年IoTが流行り始めているので、Raspberry Piを使ってモノづくりを楽しんでいる人がたくさんいるみたいだ。UNIX、Pythonと電子部品の知識が必要で、理系の人のホビーみたいなイメージらしい。

日本の悪いクセ

スーパーコンピュータも結構なのだが、安いコンピュータをたくさん並べて処理をした方が何倍も効率的なことも多い。だが、大手メーカーは5ドルのコンピュータなんか作らない。おじさんたちの高い給料を賄えないからだ。政治家さんと仲良しのおじさんたちがいろいろと吹き込むのだろう。

日本人は変化を嫌うので、延々とスペック競争を起こす。家電ではTVが4Kや8Kを目指し始めた。ホームビデオを8Kで撮影するのだそうだ。その結果、新しい製品は売れなくなり、ついにはヤマダ電機が中古市場に手を出すようになってしまった。

さらに日本には「囲い込みたがる」クセもある。昔政府が「INSとキャプテンシステム」を組み合わせたニューメディア構想というのを推進していた。高付加価値化を目指したので通信料や端末の料金が高く全く売れなかった。政府は全国の郵便局に端末を設置したりしたのだが全く普及せず、枯れた技術であるTCP/IPを使ったネットワーク(後にインターネットと呼ばれるようになる)に完全に取って代わられた。

ニューメディア構想のもう一つの失敗の原因はコンテンツの貧弱さだった。政府やメーカーはハードウェアには熱心だったが、コンテンツにはほとんど関心を寄せなかった。儲からないからなのだろう。しかし、実際にユーザーが関心を寄せるのはハードウェアではなくコンテンツなのだ。

日本のIT技術の底上げはボトムアップで

もし日本のIT技術を底上げしたければ、1000円〜2000円くらいのコンピュータを中学生に配った方がいい。日本の技術があればいくらでも作れるだろうし、コンピュータそのものは英米から輸入してもよい。ネットワーク対応はした方がいいと思うが、その他のスペックはたいしたものではなくても構わないのではないか。独自技術で囲い込みたくなるかもしれないが止めた方がいい。すぐにガラパゴス化してしまうだろう。枯れた技術で作るから安く作れるのだし応用もできるのだ。多分「独自OS」とか言い出す人がいるだろうが、それも止めた方が良い。

ただし、いろいろなセンサーは付けられるようにすべきだ。その方がいろいろ遊べて楽しい。ヒーターのスイッチをオンオフしたり、音声認識をしたり、GPSを使ったり、RFID(非接触型の読み取り装置)と通信したり、光センサー、加速度センサー、温度センサーなどなどとできることはたくさんある。

これを頭が柔軟な子供に使わせれば、様々な用途に応用できる。UNIXの知識も身に付いて一石二鳥だし「お金がなくてパソコンが買えない」みたいなこともなくなるだろう。

パソコン教育というと、Officeを使わせてインターネットで調べものをして、みたいなことを考えがちだ。確かに働くとき便利だろうが、パートや事務員になるためだけにパソコンを学ばせるよりも、プログラミングを勉強してもらった方が将来に広がりが出るのではないだろうか。

もう一つ分かるのは、これからコンピュータ産業はどんどんオープンソース化して行くだろうということだ。一部のエリートエンジニアたちが家電を差別化するために競争するというような時代は終ってしまったのだ。何万人もの素人がアイディアを競うような時代になってくるのだろう。

もともと細かくちまちまとしたものを作るのに長けていた日本人が、コンピュータだけは大きくて立派なものを作ろうとするのだろうか。政治家やおじさんたちの頭の中には、公共事業のイメージがあるのかもしれない。

Feedlyを使う

最近、Feedlyを使って当ブログを閲覧する人が増えてきた。ソーシャルメディアが台頭した数年前にRSSリーダーなど過去のものになったと思っていたので、ちょっと意外な傾向だ。読まなければならないブログやニュースサイトが爆発的に増えているからなのかもしれない。モバイルとPCで共有できるのも人気の理由なのかなと思ったりもするが、よくわからない。

遅ればせながらFeedlyボタンを右サイドバーに追加した。モバイルで閲覧している人は画面の下(コメントよりも下)に表示されているのでちょっと見つけにくいかもしれない。

ついでにモバイルのレイアウトを見直した。普段はPCでしか見ていなかったので、広告とソーシャルメディアのシェアボタンのレイアウトが崩れているのに全く気が付かなかったのだ。2/3のユーザーがモバイル経由なので、読みにくかったんだなあと思う。申し訳ない限りだ。スペースの関係ではてなブックマークとGoogle+は外した。残念ながら、はてな村からの支持はあまり得られなかったみたいだ。

Feedlyボタンをつけるのは簡単だった。Feedlyのサイトに行き、RSSのURLを埋め込んだコードをコピーするだけだ。Feedly対応で気をつけなきゃと思ったのはサマリーの書き方だ。今はTwitterカード用に書いているのだが、Feedlyはより多い情報が使える。この使い方を工夫するとソーシャルメディアへのシェアが増えそうだ。ただし、ここでまとめてしまうと概要だけ見て本文を読まれない可能性もある。多くの人はヘッドラインをフォローするのに忙しく、本文をじっくり読む時間はないんじゃないかと思う。一覧から選ぶと概要が表示される。本文を読むためにはもう1クリックする必要があるのだ。WordPress系の場合RSSにアイキャッチ画像を表示するには改造が必要なようだ。面倒なのでやっていないのだが、ニュース系サイトではデフォルトになっているようで、写真がないと埋没しそうだ。

Feedlyはブログの整理だけでなく新しいブログの発見にも役立つようだ。たとえば政治家のブログをフォローしたいとする。何かひとつ政治家ブログを選んで登録する。するとそのブログを購読している人が読みそうなブログを自動的にお勧めしてくれる仕組みがある。これは旧来のRSSシステムにはない機能だろう。Twitterは自分がフォローしている人の気になる情報しか発見できないが、Feedlyはソーシャルで盛り上がっているニュースをトップに表示する機能がある。

改めて、世の中には読まなければならない情報がたくさんあるんだなあと思った。この中で埋もれないようにするのはなかなか大変だ。場合によってはヘッドラインだけでも読んでもらえればという割り切りも必要かもしれない。

Twitterにみる日本人の怖れ

Twitterが140字制限をなくすというニュースが広がった。Twitter社は長い間赤字に苦しんでいる。株主の間からは文字数制限をなくすべきだという声が根強く、これに応えた形だ。しかし、この変化は日本人ユーザーを動揺させた。Twitterらしさがなくなってしまうというのだ。

Twitter社はなにも10,000字を使わなければならないと言っているわけではない。日本人ユーザーが今までのようにTwitterを使い続ければ、これからも日本のTwitter環境は変わらないだろう。それでも日本人は変化を好まない。取りあえず「変わる」というニュースを聞けば反対してみせるのが日本人なのだろう。

日本人はなぜ変化を嫌うのか。それは、変化がリスクだと感じられるからだろう。ではなぜ、変化はリスクなのだろうか。

本来ならば、個人が便利な方向に環境が変化してゆけば、それは他人にとっても便利である可能性が高い。つまり、利得の総和が増す。これを「成長」という。しかし、環境が変化すると今まで環境から利益を得ていた人が損をする可能性がある。そこで日本人は全体の利得ではなく、個人の損に目が向いてしまうのだ。

環境を変えようという動きは「あいつだけがトクをしようとしているのだ」と受け取られる。そこで「スタンドプレーは慎むように」という話になる。このような相互監視と上からの押さえつけはどれも「変化しない」方向に働く。

最近、育休を取りたいと言った国会議員が同僚から猛反発を食らった。男性が育休を取る事ができるようになれば「助かった」と感じる人は多いだろうが「有権者にこびて選挙を有利に運ぼうとしている」と感じる人が多いのだ。最終的に党の有力者から「スタンドプレーを控えるべきだ」とたしなめられたのだという。国会議員がその調子なのだから、個人が生きやすいように社会を変えておこうという動きが広がるはずはない。

こうした環境のことを「空気」と呼ぶ。人が空気を作り出しているはずなのだが、日本人は個人が空気を変えることができるとは考えない。

変化を怖れる人はたとえ便利なことが分かっても、新しいテクノロジーを採用したり、便利な制度を導入することができない。成長ができないのは絆が弱くなったせいではない。むしろお互いの結びつきが強すぎるのである。

このためテクノロジの変わり目は世代の変わり目である事が多い。例えばファックスを覚えた世代はその後もファックスを使い続ける。その後の世代はファックスには目もくれずスマホを使うのだ。

こうして不便な状態に置かれる事が多い日本人だが、こうした不便さに熟達することに不思議な喜びを感じている。これを「職人技」といい、一生道を追求するのがよいとされる。そして不便さに慣れた人たちは、後の世代にも不便を押しつける。便利さを追求するひとを「わがままだ」と決めつけることもある。

例えば「社会の支援なしで子育てをした姑世代」は嫁の世代にも同じような不便さを求める。そして社会の支援を求めることはわがままだとみなされるのだ。

変化を怖れる人に変化を受け入れさせるのはどうすればよいのだろうか。それは「何も変わらない」という説明をすることである。それでも変化を怖れる人はその話を持ち帰り、集団で検討する。そしてお互いの利得が変わらないことを確認して初めてその変化を恐る恐る受け入れるのである。こうしたやり取りを「根回し」と呼んでいる。

Twitter社の仕様の変更が日本のTwitter文化を変えるとは思えない。人々は今までのようにTwitterを使い続けるだろう。もともとこの短文文化は2チャンネルから来たものだ。2チャンネルには文字数の制限はなかったが、参加者は短文で投稿しており、今でも高齢化した参加者たちが同じように短文で投稿し続けている。使い続けているうちに仲間内での約束事が積み重なり新規の参加者を受け入れなくなる。そこで新しい参加者たちは全く別のプラットフォームを選ぶだろう。

ブログが宗教団体の圧力で消されかけたら

知り合いのはてなブログが閉鎖の憂き目に合った。経緯はよく分からないが、ある宗教団体の犯罪行為(どうやら児童虐待らしい)について書いたようだ。よっぽどひどい嘘を書いたか、本当のことを暴いてしまったのだろう。

どちらにせよ、はてなの側としては「ヤバいものは閲覧停止にしてしまえ」と判断してしまったのではないかと思う。該当箇所を削除するようにというお達しと猶予期間はあったようだ。

これについて、別の識者が「アーカイブを消されるのはひどい損失だ」と嘆いていた。が、それだけ重要なアーカイブならばそれなりにバックアップを取っておく必要があるだろう。はてなブログはMT形式でバックアップができる。これは様々なブログサービス(例えばWordpressなど)で読み込む事が可能だ。

そもそも、はてなブログは無料だ。だから、運営者側の判断で消されても文句は言えない。それでも無料のサービスが使いたいのであれば、海外で運営されている無料のサービス(例えば、Wordpress.comなど)に移行するのがよいだろう。

さらに「ブクマが消えてしまう」のが嫌なのであれば、ドメインを取ってしまうことも一つの選択肢だ。多分、1か月に500円程は必要だろうが、運営者に勝手に消される可能性は低くなるのではないかと思う。サーバーが使えなくなったら、サーバーを移転して、ドメインを張り替えたら終わりである。

残念なことにこの事例は「日本人の生産性の低さ」を如実に物語っている。第一にこうした社会運動は、個々の活動として行われることが多い。なかなか参加者同士の支え合いに発展しない。第二にグループウェアなどを使った動きが出てこない。Twitterで呟き、それをまとめて終わりといった具合である。若年層はLINEでやり取りをしているのかもしれないが、これも閉鎖系なので、運動に広がりが生まれない。

新しい世代のサービスはいくつも出ている。例えば、Googleを使ったサービスが考えられる。まず、Googleグループを作る。これはメーリングリストのように機能するが、履歴がすべてGoogleのサーバーに残るという仕組みである。テーマごとにスレッドを設定して利用するので、後からテーマが追いやすい。問題が起こったら担当者にアサインする仕組みも付いている。もちろん履歴は公開も可能なので、検索エンジン経由で新しい参加者が見つかる可能性もある。

この夏の「落選運動」の時にも思ったのだが、日本の社会運動は連帯が下手だと思う。そもそも団体活動が苦手な人たちが、価値観を押しつけられることに反発していることが多いからなのかもしれない。こうした連帯の下手さ加減は、しっかりと野党に受け継がれている。大切な時ほど、内輪もめを起してしまうのである。

運動家のみならず、日本人はチームプレイが苦手だ。これは一般的な日本人の自己像とは異なるかもしれない。特にセクションが違っている人たちの間の「無関心さ」はかなりのものだ。残業があっても「隣の人を手伝わない」のは日本では当たり前だと考えられている。だから、自分でメッセージを抱え込むメールが重要視される。また、閉鎖した空間でやり取りを楽しむLINEの人気にもつながっている。

こうした特性があるので、グループウェアを使った協動が導入されにくいのだろう。

いずれにせよ恊働の問題を解決しないと、いつまで経っても社会運動が広がりを持つことはできないだろう。すると「NHKがとりあげてくれない」と文句を言い続けるだけになってしまうのではないかと思う。NHKを大勢で囲んでも問題は解決しない。で、あれば問題点を共有する仲間で運動を広げた方が手っ取り早いのではないかと思う。

マイナンバーカードの?が教えてくれること

「マイナンバーカードが配達されない」とか「詐欺に使われている」というニュースを見た。この中で特に深刻だと思えるのが、配送ラベルに印刷されている?の問題だ。今の日本のダメなところが凝縮している。

ガラパゴス化した組織は全体でミスをなかった事にする。なかったことにするから、いつまでも失敗から学べないのだ。

住所ラベルに?が印刷されたのは、全角スペースにすべきところを半角スペースにしたからなのだそうだ。これをプログラムが処理しきれず?が印刷されてしまったのだという。

なぜ、半角スペースを入れると?が印字されてしまうのだろうか。報道では詳しく説明されないのだが、多分COBOLを利用しているからではないかと思われる。ビジネス分野でよく使われるCOBOLは全角と半角の取り扱いが苦手なのだという。これを「克服」するためには、予め半角になりやすい文字種を決めておいて、手作業で対照表を作って置き換えるのだという。この処理を失敗すると、文字コードが半角分(全角を基準にすると0.5文字になる)ずれてて、全体が文字化けを起すはずだ。

文字化けを防ぐために、エラーとして「手作業で」?を印字しているのではないかと思われる。?は当てはまる文字が有りませんよとか「データが間違っていますよ」いう意味の「エラーコード」なのだ。プログラマが意図して組み込んでいるのだ。そういう「仕様」なのだろう。

ここまで書いても「だからどうしたの」と言う人が多そうだ。

第一に「なぜ未だに、日本語処理が苦手なCOBOLを使っているのか」という問題がある。1959年に仕様が統一されたCOBOLはもう50年以上もの歴史のあるプログラミング言語だ。多分、役所関係の仕事だけをやっていれば済む(他に仕事がない)会社や部署が使い続けているのだろう。こうした会社では、他の言語を習得する意欲がないはずだ。ガラパゴス化しているのだ。

もし、MicrosoftやAppleのように家庭用機器を作っている会社であればそんな製品を放置する事はなかっただろう。COBOL言語そのものの問題というよりは、改良されたCOBOLが使えないコンピュータを使っている人たちが多いということなのかもしれない。メーカーは古いアーキテクチャに無駄なリソースを割くよりも新しいアーキテクチャに移って欲しいと思うはずだ。いわば、MS-DOSあたりを使っている感覚だといえば分かりやすいかもしれない。

こうした世界では、倒錯した価値観が支配することになる。不完全な状態を「改善しよう」とは思わない。それを使いこなす事に不思議な快感を覚え、それを「職人技」だと賞賛することになるのだ。目的を達成するよりも、職人技を磨く事が尊敬される不毛な世界だ。

しかし、これは問題の半分だ。もしこれがエラーコードだったとしたら、どこかで抽出ができたはずだ。?が印刷されたら、ログを吐いて出荷を止めるようなことができたのではないかと思う。しかし、システムインテグレータはそれをしなかった。これは推測になるが「納期の問題」があったのかもしれない。「納期に間に合わせる為には絶対に半角スペースは入れないでくださいね」というわけだ。

役所の方も納品物をチェックしなかったのだろう。役所側(あるいは業者の営業)が、納品する住所録にある半角スペースを一括で全角に変換してやればよかった。また、納入したものを目視確認すれば問題は表面化しなかったはずである。プログラマは半角スペースをイレギュラーとする仕様で書いているのだから、チームメンバーは(それがクライアントや営業であっても)イレギュラーなデータが流れ込まないようにする責任がある。

「時間がないからミスはあってはならない」が「ミスはあってはならないから、ないはずだ」に変わってしまう。最後には「ミスはないはずだから、これはミスではない」になる。だから、誰も学習しないのだ。そして学習しないから「これをどうにかしよう」とは思わないのだ。

このように考えると、マイナンバーが外部に流出するのも時間の問題だといえる。?で収まっているうちに問題を解決すれば良かったと思う日が来るだろう。

残念なことに、これを伝えるマスコミ側にもコンピュータのことが分かる人がいなかったようだ。政治部や社会部に専門家がいなかったのかもしれない。だから、深刻な問題が起きたとき、初めて専門家を呼んで大騒ぎして「責任者を首にしろ」などと叫ぶわけである。

まあ、問題が起きた時に多額の税金で処理をするのもいいかもしれないし、何度でも叫び続ければいい。何回でも同じ間違いを繰り返せば、そのうち学習するだろう。

Windows XPでYahooにアクセスできなくなる!?

現在、Yahoo!にXPパソコンで接続すると「もうじきほとんどのサービスが使えなくなる」という注意書きを目にする。10月から12月にかけて「セキュリティ関連の改良が施される」のだそうだ。何の対策が行われるのかという詳しい説明はない。

もう少し調べてみると、Yahoo!が SHA-1証明書をSHA-2証明書に切り替えるのだということが分かった。7月頃まではYahoo!もこのように説明していたのだそうだ。この説明が正しければ、XPがSP3になっていれば、従来通り接続ができるのだということになる。Yahoo!がなぜ説明を変えたのかは分かっていない。「この機会にXPを排除してしまうのだろう」という人もいれば「とりあえず、大丈夫だ」という人もいる。

中にはYahoo!さえ使わなければ大丈夫だという人もいる。ところが、話はそれほど簡単ではないようだ。もともとこの話はSHA-1証明書の暗号が破られることがわかったところから始まる。これを危胎化というそうだ。SHA-1はアメリカの国立標準技術研究所(NIST)で1995年に作られたのだそうだが、2005年に「このように計算すれば、いずれは破られるだろう」というアルゴリズムが開発された。(JPNIC)そこでNISTは2010年にSHA-1の使用を停止するべきだという勧告を出した。

そのために、MicrosoftとGoogleが「自社製品は今後 SHA-1を信頼しない事にする」と決めた。これを受けてシマンテックなどの証明書発行機関が、2015年限りでサーバーサイドのSHA-1証明書を発行を打ち切ることを決定したのだ。そのため、サーバーサイドではもうじきSHA-1が使えなくなる。となると、サポートが打ち切られたOSがSHA-2に対応していなければ、そのまま使えなくなってしまうというわけだ。例えばApacheもSHA-2に対応していなければ使えなくなるので、古いサーバーOSも入れ替えが必要だ。つまり、Yahoo!だけの問題ではなさそうなのである。

シマンテックの書いたものを読むと、どうやらSHA-1対応かそうでないかはOSではなくブラウザーが決めるのだということが分かる。シマンテックの調査によるとほとんどのブラウザーがすでにSHA-2対応している。もう一つのソースであるwikipediaにはそれとは異なる対応表があったが、どちらともXP SP-3は対応したことになっている。

Yahoo!がどのような情報と意図に基づいて今のような注意書きを変えたのかはよく分からない。話を分かりやすくしようとして混乱の原因を作った可能性もあるし、別の意図を持っているのかもしれない。少なくとも、今日現在、Yahoo!は古い証明書を使っているので、話の真偽は確かめようがない。年内に突然ログインができなくなる可能性も捨てきれない。

この話を調べていて疑問に思ったのは、ブラウザーとサーバー以外の製品の対応だ。SSLは例えばメールソフト、iTunes、メッセンジャーなどで使われている。こうした製品がどの程度影響を受けるのかについては情報が集められなかった。もっとも、切り替えは進んでいるのかもしれない。Gmailが古いガラケーからアクセスできなくなっているのだそうだ。Googleは明確なアナウンスをしていないので、これがSHA-2対応によるものなのかは不明だ。Gmailの証明書を見ると、署名アルゴリズムがSHA256になっていた。これはSHA-2の一種なので、Gmailは既にSHA-2化が進んでいることになる。で、あればGmailを見る事ができるブラウザーは引き続きYahoo!の機能を使えることになる。

GlobalSignの対応表によると、XP SP3はSHA256に対応していることになっている。一方、MacOSの対応は10.5以降なので、10.4や10.3では使えないサービスも出ているものと思われる。

もっとも「古いOS」の利用率はそれほど高くない。このブログに接続する人を調べたところ、XPの利用率は3%に満たなかった。最もメジャーなバージョンはWindows 7だ。Windows 10やiOS9.1といった最新OSを利用している人たちも少数派で、アップデートの難しさを感じる。Mac OS 10.4を使っている人もごく少数派なので、今回のアナウンスによって影響を受ける人はそれほど多くないのかもしれない。

ネット上にはWindows XPパソコンはWindows 10には対応できないといった書き込みも多く見られる。しかし、これは必ずしも正しくない。後期に作られたXPパソコンの中にはWindows 10の導入要件を満たしたものがある。検索すると「アップデートに成功した」という記事が見つかる事もあるので、一度検索してみることをお勧めする。ただ、パソコンの価格も下がっている。10000円のWindows 10パソコンも発売されている。一方、PowerPCは10.5を例外としてそろそろオフライン限定にした方がよさそうだ。

シマンテックによると、日本政府は2019年までにSHA-2への切り替えを行うのだそうだ。すでに解読が進んでいる暗号であり、いつ破られてもおかしくはない。加えて、日本政府や自治体の情報リテラシーはかなり遅れていることが知られている。政府は「マイナンバーのセキュリティ対策は万全だ」と胸を張るだろうが、本当に大丈夫なのか改めて検証した方がよいように思える。そもそも民間のレベルでは2016年末ごろまでにアクセスができなくなってしまうのだ。