バターが足りない

関東のスーパーマーケットの中には売り場からバターが消えた所がある。どうやらバターが足りないらしい。調べてみるとわからない点が多い。

バター不足の直接の原因は生乳の不足だ。生乳が足りなくなると本来バター作りに回すはずだった分が使われる。故に生乳が少なくなれば真っ先になくなるのがバターなのだそうだ。

生乳が不足しているのは、後継者不足が原因で北海道の酪農家が減っているからである。酪農家の減少は酪農の大規模化により補完されているのだが、それでも補いきれなくなっているらしい。また大規模化にも適正レベルがあり、ある程度以上大きくなると「スケールデメリット」が生じるのだという。

これを「酪農の構造的問題」と指摘する人たちがいる。(「バターが不足〜岐路に立つ酪農〜」)構造的問題とは、酪農家の減少、円安によるエサ代や電気代の高騰などが含まれる。後者はいわゆる「アベノミクスの副作用」である。

では、輸入すればよいのではないかと思われるが、バターには高い関税が課せられているのでそのままでは海外からバターが入ってこない。このため農林水産省は2014年度に2回もバターを緊急輸入せざるを得なかった。

バター不足の原因を見ると、自由貿易の問題が含まれることがわかる。自由貿易環境下では、円安が進めば「自動的に」国内の酪農家が淘汰されてしまうはずだが、海外の代替品が流入するのでバターの取引量と価格そのものは適正水準に維持されるはずだ。TPPのような自由貿易協定は「アベノミクスの第三の矢」である「構造改革」「規制の撤廃」に含まれる。

週刊ダイヤモンドによると、バターの値段は乱高下を繰り返しているという。単純に自由化すればよいというものでもないらしい。