EXILEのダンスとジャニーズのダンスはどこがちがうのか

テレビ東京で4時間の音楽番組をやっており、そこにEXILE系のグループ「EXILE SECOND」が出てきた。常々、EXILE系の人たちの踊りはジャニーズと違っていると思っていたのだが、何がどう違うのか分からない。Yahoo!知恵袋で聞いてみたのだが、そもそもこの話題に興味がある人もいないらしい。体系的な研究はないようだ。

ジャニーズのダンスは伝統的な「歌謡曲ダンス」らしい。曲全体に流れがあり、動作が止まらない。源流をさかのぼるとバレエに行き着くのではないかと思う。全体的に優美に見える動きが多い。一方でEXILEのダンスには直線的な動きが多く、動作に切れ目があるようだ。リズムによるメリハリが付く。偏見だけでいうと「ストリート」というか「アフリカ系」の踊りなのではないかと思う。キーワードが断片的に浮かぶだけなのだが、ランニングマンはヒップホップであり、ヒップホップにはアップとダウンという二種類の相があるということである。あまりにも雑駁な感想なのだが、リズム重視なのは間違いがなさそうだ。

EXILEのダンスは組体操のように見える。日本人は生真面目なので、直線的なダンスを揃えてしまうのだろう。多分、アメリカ人はそこまで集団でダンスを揃えるという発想を持たないのではないかと思う。三代目 J Soul Brothersのダンスを見たが威圧的なのも特徴だ。足を大きく踏ん張って相手を脅かしてみせる動きが多い。これもストリートの影響なのではないかと感じた。

意外なことに踊りに着目すると、最近のジャニーズはあまり踊らないらしい。関ジャニ∞のダンスは途中で切れていた。昔のジャニーズのダンスがデザイナーが制作したブランドものの服だとすると、最近のジャニーズの踊りはカジュアル服のようだ。パーツパーツは印象的だが、全体としてはまとまりのない「振り」がダンスの代わりに使われている。

これが当たり前になると、却って本格的な踊りが時代錯誤に見えるようだ。なぜかSMAPはテレビ東京の番組には参加しないのだが、木村拓哉がきれいにダンスをすると「古くさいなあ」と思われたのではないかとすら思う。

かといって、ダンスのカジュアル化はジャニーズの踊り手が「ダンスができなくなった」ということを意味しないだろう。国分太一は普段は踊らない(キーボードなので踊れない)のだが、シブがき隊の一員として昔風のダンスをこなしていた。その他のジャニーズメンバーも基礎があって崩しているというところなのではないかと思う。

一方、その対極にいるのがAKB48グループだ。そもそもかわいい動作をさせることに力点が置かれている上に、ダンスの基礎もなさそうである。日本のダンスはこうした人たちでもそれなりに見せられるように進化してきたのではないかと関心した。

その点、E-Girlsは、胸を強調してみたり、足を開いてみたりと、大きくセクシーに見えるような動きが目立つ。体のコントロールという意味でも難易度は高そうだ。

ただし、日本人は男性も女性も幼形成熟を好むという印象がある。このE-Girlsはどのようなターゲットを意識しているのかよく分からない。男性が大人の女性を恋愛対象にするとは思えないし、かといって女性がE-Girlsのダンスをまねるのもなかなか難しそうである。

いずれにせよ、日本のダンスがどのような体系と歴史を持っているのかについて研究した人は多くなさそうだ。調べてみると面白いのではないかと思うが、多分踊れる人は実際に真似して踊ったほうが楽しいのかもしれない。

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