パソコンからFacebookは古くさいのか

ここ最近、ウェブプロモーションの主流はスマホでLINEということになっている。Facebookは時代遅れなのだそうだ。これは本当なのか、調べてみた。

まず、スマホユーザーだが、増加してはいるもののウェブ人口(9,600万人程度)の過半数には届いておらず、4,000万人弱なのだそうだ。

いずれかのソーシャルネットワーキングに加入している人は5,000万人弱でこれもネット人口の半数である。LINEの登録ユーザーは3,000万人(アクティブユーザー)程度。また、FacebookやTwitterのユーザーは2,000万人程度である。数字だけで見ると、未だにPCユーザー(5,000万人ほどいるらしい)の方が多く主流といえる。また、全ての人がソーシャルネットワーキングに参加しているわけではない。

にも関わらず、スマホが主流だと言われるのにはいくつかの理由がある。Facebookのユーザーの80%以上はモバイル経由でアクセスしている。プライベートはモバイルという人が多いのだろう。LINEはさらにFacebookよりもプライベートで使われるのだろう。ユーザーも女性の割合が高く、10代での利用が増えている。情報に敏感で影響されやすい人が使うのがモバイルメディアだと言えそうだ。

ダンカン・ワッツによると、噂が広がるためにはインフルエンサーよりもフォロワーの質の方が重要なのだそうだ。言い換えると、火を放つためには、マッチの質はさほど重要ではない。むしろ、回りに燃え広がりやすい藁(わら)を敷いてやるとよいということになる。自分で判断する理性的な人たちよりも、影響されやすい人たちの方が噂を広めるには重要だということらしい。

ノームコアとは

Wikipedia、ニューヨークマガジンの記事などから抜粋。

ノームコアはトレンド予測を手がけるK-Holeが提唱したユニセックスのファッショントレンド。気取らず平均的な衣装が特徴。用語は「普通」と「ハードコア」を組み合わせ。K-HOLEによると、ノームコアの特徴は以下の通り。

  • 条件に応じた
  • 決めつけない
  • 適応する
  • オーセンティシティに関心が無い
  • 他人に対する共感
  • 向上心を越えた態度

ニューヨークマガジンのコラムは、ファッショントレンドへの異議申し立ての意味が含まれるとしている。

自分たちを洋服で差別化したいと望まない人たちがノームコアのスタイルを支持している。手元にある服を何となく着ているわけではなく、意図的に服によって目立たないように服装を選ぶ。ファッションのトレンドがめまぐるしく変わりファッショントレンドが飽和してしまった結果に対する反応だと考える人もいる。2013年の秋から、お洒落な人とそうでない人の区別がつかなくなりつつある。ニューヨーカーのスタイルはお上りさんの服装と区別が付かなくなった。

ノームコアなアイテムはTシャツ、パーカー、半袖のシャツ、ジーンズ、チノパンツなどだ。逆にネクタイやブラウスなどはノームコアではない。こうした格好は男女共通で、結果的にノームコアはユニセックスのスタイルになる。

もともとはK-HOLEが提唱したアイディアだが、彼らはファッショントレンドとしてノームコアを提唱しているわけではない。差違やオーセンティシティに重きを置かない新しい態度だ。

K-HOLEのエミリーセガルはノームコアはシンプルなファッションを意味するのではなく、個性が消失することにより人々がつながりやすくなること意味していると説明する。

めまぐるしく変わるファッションから人々を解放するのがノームコアだと主張する人もいるが、ファッションに煩わされることなく、何か新しいことに挑戦する時間を作りたいと考えるのがK-HOLEのノームコアだといえる。

インターネットとグローバリゼーションは、個性化という神話に挑戦している。お互いにつながる事は簡単になった。ノームコアというスタイルを取り入れると何も書かれていない黒板のようなまっさらな状態で他人とつながることができるようになるのだ。

普通が一番という価値観

マイルドヤンキー(36%)

博報堂が「うちらの世界」である都市近郊や地方などに住む人たちに支持される価値観を調査し、おおよそ若者の1/3程度がヤンキーのような価値観を持っていると結論づけた。

こうした人々が可視化される背景にはショッピングモールの充実がある。

提唱者は、今までマーケティングは東京で発案され、必ずしも地方の実情を把握していないと考えている。マイルドヤンキーは、トレンド情報にはあまり関心を持たず「うちら」の保守的な価値観を大切にしている。

セグメントは外向・内向軸とITツールの利用頻度で4つに別れている。流行に敏感な(すなわち外向的な)人たちが30%を占める。つまり、マジョリティに当たる人たちのうち、ITツールを使わない(すなわちリアルでの結びつきを深め、トレンドに対してはやや保守的な人たち)が「マイルトヤンキー」にあたるものと推定できる。

Normcore(ノームコア)

Normal +Hardcore = 筋金入りの普通。アメリカのトレンド予測機関 K-HOLEが提案。トレンドがめまぐるしく変わる中、「あえて」普通を指向する価値観。

背景にはネットの登場がある。かつてはコミュニティが先にありそこでどのように目立つかということが課題だった。現在はバラバラの個人がいてコミュニティを見つけなければならない。趣味でコミュニティを細分化すると、究極的にはお互いの意思疎通は不可能になる。このソリューションとして提唱されたのが、Normcoreだと考えられる。

いわば「脱トレンド」というよりは「脱差別化」なのだが、ファッション業界ではこれを単純化して「トレンドの終焉」と理解しているようだ。K-HOLEの資料によると、定番指向とNormcoreは別の概念のようだが、実際に日本に流れてくることまでには、単純化された概念に変わるのかもしれない。2014年のトレンドは「ノームコアだ」やダサイのが格好いいという見方さえも広がっている。

ネットコンテンツにおける要約の大切さ

100x100要約は重要だ。文章の最初に要約を持ってきたところ、1.5倍から2倍程度ページビューが伸びた。たくさんの人に読んでもらいたい記事では気をつけたいポイントである。

ページビューが伸びた原因は「共感されやすさ」だ。要約を読めば結論が分かるので、Facebookの「いいね」が付きやすかった。結論はどちらでもよい。読者の中には幅広い価値観を持った人がいるからだ。

利点は他にもある。要約が最初についた記事は誤解を防ぐのに役立つ。ネットには「要約サイト」が出回っている。筋だけを使われて、結論を一般常識に合わせて変更される場合があるらしい。少しでも複雑な論は読み飛ばされてしまうようである。

このように利点が多い要約だが、問題もある。

すぐには答えが出ない問題を考えたい場合、結論を急ぎすぎると考察が先に進まない。「結論が出るまで発表しなければよいではないか」と思われるかもしれないが、公開することによって書くモチベーションが得られる。中にはよい知恵を持っている人が現れるかもしれない。

いずれにせよ、ネットの読み手は驚く程時間が足りないらしい。最近、こんな例を読んだ。

河野太郎(息子)が河野洋平(父親)と混同されて、「河野談話」で非難されることがあるそうだ。中には河野洋平が亡くなっていると誤認している人もいるそうである。「少し調べればわかる」はずなのだが、必ずしも期待はできないのだ。

さて、要約が大切なら「文章そのものを短くすればさらに読んでくれる人が多くなるのではないか」とも思える。ということで、前回の「ボーダー柄は太って見えるか」とこの記事(ネットコンテンツにおける要約の大切さ)は実験として文章を短くした。少なくとも今のところ「読む時間は同じ」らしい。つまり、長くても読み飛ばされるし、短ければもう少し詳細が知りたいと思うのではないかと類推される。

朝日新聞の考える戦争とは何か

「特定秘密保護法」の成立が現実味を帯びるに従って、朝日新聞がヒートアップしている。「今は、新しい戦前だ」という扇情的なフレーズも飛び出した。

民主主義への懐疑は至るところで表面化しつつある。今日現在も、タイとウクライナで「民主的に選ばれた政権」がデモで攻撃されている。国際情勢が流動化するに従って様々なリスクが表面化してきた。東アジアでは中国がアメリカ中心の均衡を打破しようと試みている。

国民は情報を集める事はできるが、それをうまく解釈することができるとは限らない。また、好きな情報だけを取ってくることができるようになると「お気に入り」の情報ソースを持つことになる。

現代はリスクにあふれている。具体的な問題と単なる可能性がごっちゃになった世界だ。

ジャーナリズムの責任は大きい。「漠然としたリスク」をより広い視野で、具体的な問題に落とし込んで行く責任があるだろう。

安倍政権は民主主義を重要視しておらず「支配者気取り」で政治権力を意のままにしたいと考えているようだ。その割には当事者能力が低く、いざとなったらアメリカの意向ばかりを気にする。各方面に様々な約束をしているため収拾がつかなくなっている。コメの問題ではアメリカとJAのどちらの肩を持つのだろう。また、第二次世界大戦当時に先祖たちが受けた扱いを不当だと感じていて、その名誉回復を模索しているだけかもしれない。つまり「世が世なら自分たちは支配者階級だったはずなのに」というわけだ。

戦前の「限定的な民主主義国家」に逆戻りしそうな雰囲気はある。しかし、いくらなんでもこれを「戦争」に結びつけるのは拙速だろう。

第二次世界大戦は政治家と軍人だけが成し遂げた戦争ではなかった。国の情報コントロールがあったことは確かだろうが、新聞社や国民も「成果」を挙げる軍人と戦争を支持した。また、当時の日本は緊密な国際通商の恩恵を受けておらず、世界的に孤立しても「失うもの」が少なかった。さらに、当時は帝国主義の時代であり、現在とは状況が違っている。

ところが、朝日新聞に出てくる識者たちは、懐古的な政治家たちの動きを心配しつつ、あたかも第二次世界大戦に再突入するかのような懸念を抱いているように感じられる。このような「正体が分からない」ものを怖がるのは幽霊を怖がるのに似ている。「だから根拠がない」というのではない。正体が分からないから不安が増幅する。こうした正体の分からない不安は、当座は人々の興味を引きつけるだろうが、やがては「見ないようにしよう」という感情を生む。つまり、疲れてしまうのだ。

朝日新聞は「明日にも戦争が起こる」と言っている人に対して「その戦争はどのようなものなのか」と具体的に説明するように求める必要がある。単に主張を繰り返して怒り出す人は相手にしなくてもよいと思うが、「左側の人たち」は真面目な人も多いので、彼らは考え始めるだろう。具体的なことが分かれば、検証ができるし、あるいは怖くなくなるかもしれない。

「リスク社会」というように、現在は様々な「可能性としての脅威」が情報として直接国民一人ひとりに飛び込んでくる。このため、心配ごとを抱え込もうと思えば、いくらでもネタを見つけることができる。その一方、リスクに怯えていると、実際に現実化しても疲れて対策が取れなくなってしまう。

「リスクに疲れた」国民は、次の選挙でより簡単な解決策にしがみついてしまうかもしれない。これこそが第一次世界大戦後にドイツ国民が犯した間違いだ。つまり漠然とした不安こそが「次の戦争のきっかけ」になる可能性があるのだ。

ホットケーキとパンケーキは違うのか

フライパンを使って焼くケーキのことをパンケーキと呼ぶ。パンケーキには、ホットケーキやフラップジャックなどという別名がある。国によってはベーキングパウダーなどの膨張剤が入っていることもあるがこの違いは本質的なものではないらしい。膨張剤が入らないものもあるということは、小麦粉でできたクレープも基本的にはパンケーキの一種だということになる。ガレットは「ソバ粉を使ったフランス風のパンケーキなのだ」という言い方ができる。

とにかく、英語のホットケーキとパンケーキは概ね同じ事を意味するらしい。この英語の記事は「パンケーキとホットケーキは全く同じものを意味している」という前提で始まっており、「にも関わらず、日本では違うものだと認識されている」と言っている。

ホットケーキは「昭和の味」と呼べるようなものだ。厚くて甘い。それは「おやつ」や「子どものお昼ご飯」だとみなされている。格安だがボリュームがある。一方、「平成の味」であるパンケーキは薄い。生地自体にはあまり味がついていない。そして、甘いジャムやクリームなどの他に、サラダなどを乗せて食べることもある。つまり、食事としての要素が入っているのがパンケーキだと見なされているようだ。

いろいろなネットの生地を調べてみると、ホットケーキという言葉が一般的になったのは、森永製菓が出している「ホットケーキミックス」の影響が大きいらしい。発売は昭和32年だ。「粉もの」系は本格的な食事だとは見なされず、お菓子扱いされる事が多い。なぜ、森永がパンケーキを「ホットケーキ」と呼んだのかは不明であるが、東京のデパートの食堂で提供されていたからという情報がある。フライパンのパンと食パンのパンが混同されるのを避けたのかもしれない。もともとホットケーキミックスは「無糖」だったが、砂糖入りのものが出てから普及したというエピソードからも、食事としてではなくお菓子として認知された状況が分かる。

現在森永製菓は砂糖の入っていないパンケーキには、朝食としての価値もあるというマーケティグを行っているらしい。このため「お菓子として食べるのがホットケーキで、朝飯として食べるのがパンケーキだ」という認識もうまれているようだ。

ここから伺えるのは、日本人が持っている「新しいもの好き」という側面と「保守的な」側面であるといえる。東京のデパートでしか食べられない「ハイカラな」食べ物をありがたがる一方、食事には極めて保守的な障壁が存在する。そこで「ポジション」をお菓子にすると無事に導入できる。しかし、今度は「ホットケーキはお菓子」という強い印象が付いてしまった。海外からの「食事系」のパンケーキが受け入れられたのは小麦粉食が当たり前になった世代だ。今度は「食事系のパンケーキ」というマーケティングがなされるのだが、ホットケーキとパンケーキは違うものなのだという印象がうまれるのである。

ホットケーキミックスは小麦粉をさらさらに加工し、そこに膨らみやすい成分と油(多分、さくさくとした感じが出せるのであろう)を加えたものである。だから、実際にはワッフルやドーナツなどの他のお菓子にも応用できる。しかし「ホットケーキの粉」という印象があるために、ドーナツを作ってもらうためには別のマーケティングが必要になる。

「朝飯の保守的なバリア」と言っても、無理矢理に防御しているというわけではないだろう。朝飯というものは自動的に決められるので、わざわざ別のものを試そうという気持ちにはならないのではないかと思われる。一人暮らしでない限り、何かを「変革しよう」と試みても、家族を説得しなければならない。

そこで強いメッセージを使って新しい製品を導入しようという試みがなされる。メッセージが強ければ「そういうことになっている」と言えるので、家族を説得しなくてもすむ。ところがメッセージが強過ぎると却ってそこから脱却するのが難しくなるだろう。しかし、いったん脱却が進むとそこには「未開の可能性」が広がっている。結果的には、マーケティングには大きなチャンスなのだが、なかなか一筋縄ではゆかない。

100x100食べ物の好みが形成されるのは、かなり幼いうちだろう。例えばメープルシロップも「ホットケーキにかけるもの」という認識が残っており、それ以外のもの(例えばヨーグルトの甘味料)などに利用しようとは思えない。干した果物も「レーズン」が一般的だが、干したオレンジなどはなかなか広まらない。レーズンはお菓子の部類に入っているが、実際にはサラダに入れてもおいしい。しかし、サラダは塩味で食べるものという認識があるために、甘いレーズンをサラダに入れると、家族の中に拒否する人が出てくる可能性もある。

このバリアも崩れつつあるようで、パンケーキの流行の次はグラノーラだと言われているそうだ。甘いドライフルーツを朝から食べるという行為も戦後長い時間をかけてようやくバリアを乗り越えつつあることになる。

HTML5とSVGを使って着せ替え人形を作る

昔、ユニクロでグリーンのカラーチノを買った。500円と安かったからだが、何と合わせてよいかさっぱり分からなかった。今年の春はカラーパンツが流行したのだが「何と合わせてよいか分からない」という人も多いのではないかと思う。売る側からすると「合わせ方が分からないから買わない」というのは大きな機会損失だ。もちろん、カタログを揃えるという手もあるだろうが、もう少し単純化できそうだ。

そこで、SVGを使ってファッションコーディネートが提案できないかと思っていた。なかなか普及が進まなかったHTML5だが、iPadなどでも扱うことができる。アプリと違って、そのままe-commerceサイトやカタログに接続できるのが利点だろう。

ところが、なかなかできなかったので開発は難しいのだなあなどと諦めていた。

ところが本(『HTML5ガイドブック 増補改訂版 (Google Expert Series)』)を読んで一から勉強してみると1時間程で完成してしまった。(できあがりはコチラ)ここまで苦節1年。いったい、この1年は何だったのだろうかと思ってしまう。つまり実際はとても簡単なのだ。

最初に準備するのはillustratorで作った線画だ。ベジエが残っていると扱えないので、すべての点は角になるように作る。

なおSVGを表示するためににはHTML5が動作するブラウザーを使う必要がある。今回はSafariの5.xを使った。

まず、HTML5で宣言する。

<!DOCTYPE html>
<head>
<meta charset=”utf-8″>
</head>

SVGは直接書いても良いし、DOMに付け加えていってもよいらしい。この時ポリゴンにIDを付け加えておくと、JavaScriptで操作ができるようになる。要素を作ってappendしてゆく。

var SVG = ‘http://www.w3.org/2000/svg’;
var svg = document.createElementNS(SVG,’svg’);
svg.setAttribute(‘width’, ‘300’);
svg.setAttribute(‘width’, ‘300’);
polygon.setAttribute(‘points’,points);
polygon.setAttribute(‘fill’,#FFFFFF);
svg.appendChild(polygon);
root.appendChild(svg);

20130725-01

さて、座標の指定だが、Adobe Illustratorなどで最初に人形を作っておき、SVG形式で書き出す。ここから座標を抜き出して行く。後で操作が複雑になることを避けるためには人形を単純にしておくと良い。すると人形ができ上がる。

今回は色を変えたい。jscolorというコードが手元にあったので使ってみる。どうもFirefoxの3.xでは動かないようだ。

SVGは属性のセットの仕方が独特である。属性情報を得る為にもgetAttributeという特殊な形を使う。

function change_color(){
var elements = document.getElementById(“pants”);
var color = document.getElementById(“colorfield”);
elements.setAttribute(“fill”, color.value);
elements.setAttribute(“stroke”, “#000000”);
elements.setAttribute(“stroke-width”, “.25”); }
20130725-02

すると、フィールドから色を変えるたびにパンツの色を変えることができる。 Safariの他にOperaでも試したが、動作が確認できた。Firefoxは左側の色変更ができなかった。

 

二重ルータという「問題」

二重ルータという問題がある。実際には二重ルータが問題なのではなく、設定の不具合によって、複数のルータが1つのネットワークに対して矛盾した指示を出すという問題だ。近年になって無線機器が増加したために、知らず知らずのうちに設定が複雑化することがある。解決策はネットワークの簡単な仕組みを理解することなのだが、これがなかなか大変だ。




近所のリサイクルショップで無線ルータを買った。300円だった。当初想定していた設置はできなかったものの、ルータとしてはきちんと使える。スィッチングハブの機能がついているので、ハブとして使うことにした。設定の仕方を勉強しているうちにいろいろとおもしろい記事を見つけた。世の中には「同じネットワーク内にルータが2つあるといけない」と信じている人がいるのだ。これを二重ルータ問題という。ありもしない問題を解決しようと、様々な「取り組み」が行われている。

普通、家庭内のネットワークは1つの装置を通じて外(いわゆるインターネット)とつながっている。これを「モデム」と言う。モデムにはルータ機能がついている事が普通だ。無線をやりたい人は、もう一つルータを買ってきてつなげる。すると、家庭内ネットワークの中に入れ子のように別のネットワークが作成される。ルータの外側には192.168.0.1、192.168.0.2というような番号(IPアドレス)が付与されている。内側のネットワークに同じ192.168.0.2という番号を付与すると、番号の重なりが生まれる。そこで内側のネットワークには、違った番号体系を付けるという約束がある。例えば、192.168.1.1、192.168.2.1という具合だ。

同一ネットワークは、192.168.1までは共通であり、その下の番号だけが識別に使われている。これを明示的に示すために255.255.255.0という番号を使う。この番号を「サブネットマスク」と呼んでいる。パソコンのネットワーク設定の画面には必ず付いている。つまり、IPアドレスとサブネットマスクを合わせたものが、識別番号になる。

なぜ、IPアドレスが192.168で始まるかという問題(他にも10.1.0.1というような番号体系もある)や、どうして最後の数字の固まりだけ意味を持たせた場合に、255.255.255.0になるのかというのはちょっと複雑なのだが、とにかく、IPアドレスとサブネットマスクさえ整理すれば、いくつものルータを混在させたりすることもできる。また便宜上「入れ子」という説明の仕方をしたが、実は下流にあるパソコンをそのままネットにつなげることも可能だ。インターネットはクモの巣のようにネットワークを張り巡らせることができる。だからWorld Wide Web(クモの巣)と呼ぶのである。

このようにちょっとした知識さえあれば、ネットワークは簡単に設定できる。しかし、テレビやゲーム機を無線LANに参加させることができるようになり、知らず知らずのうちに設定が複雑になる場合が出てきた。またパソコンにもルータ機能が付いており、さらに複雑化が進む。大抵の機械には「自動でつなげます」という仕組みが備わっているのだが、他の機械が入るこむことが想定されていない(全ての組み合わせを事前に予測する事ができない)ために、自動設定でも問題が排除できない。

ルータには、IPアドレスを自動で付与する仕組み(これをDHCPと呼ぶ)が付いている。つまり、個々のルータが自動でIPアドレスを付与するうちに整合性が取れなくなったりすることが起こる。つまり「二重ルータ」が問題なのではなく、IPアドレスの重複が実際の問題なのである。ところが二重ルータ問題という言葉があるので「ルータが2つ以上あるのは良くない」と思い込んでいる人がいて、その人が別の人にアドバイスをしたりするために、話が必要以上にややこしくなっているらしい。

これを解決する一番よい方法は、まず手持ちの機器がどのように接続されているのかを書き出してみることだ。必要でないルータは機能を使わないようにする。もしルータとして使うのであれば、固まり(これをセグメントと呼ぶ)を分けて管理すると良いだろう。こうして図を作ると、速度が遅くなっている原因(これをボトルネックと呼ぶ)を突き止めることもできる。無線装置の中には300Mbpsなど通信速度が早いものも売られている。しかし、途中で10Mbpsの装置が使われていると、通信速度を活かすことはできない。

100x100

問題を解決する方法には2つある。1つは基本的な仕組みを理解した上で「デザインする」というやり方だ。ネックは英語由来の専門用語が多いということと、基礎概念へのなじみのなさ(例えば、255は2の8乗-1を意味する)にあるだろう。もう一つは複雑さを回避(つまり、使用するルータを1つに限定)するというやり方である。柔軟なのは前者のやり方だが、基礎知識が必要になる。後者のやり方は基礎知識は必要でないのだが、柔軟性に欠ける。

後者のアプローチを取ると「1つのネットワークにはルータは1つのみ」となってしまうのである。

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Google検索で名前を売る方法

世の中には匿名で意見を言いたい人もいれば、自分の名前を売りたい人もいる。コンサルタントのような人たちは記名付きの記事を増やして、信頼を醸成する必要がある。また、何かあったときに信頼できるコンサルタントを「知っている」事も重要だ。今のところ、ネットにはこうしたつながりを記述できるフォマットはないのだが、google plusがこうした機能を担う可能性がある。

実際に検索してみると次のような写真付きの記事がヒットすることがある。google_kensaku

googleにお金を払って登録してもらっているわけではなく、個人が自分で設定している。設定のやり方は簡単な3ステップだ。以下、手順をご説明したい。

まず、ブログのhead部分に以下のようなコードを付ける。その為にはgoogle plusのアカウントが必要なので、ない人はこの際作っておきたい。hrefにはgoogle plusのプロフィールページを記述する。

<link href="https://plus.google.com/112686945113811468123" rel="author" />

次に、Google Plusのプロフィールページの「寄稿先」にサイトのURLを登録する。業界紙に記事を書いていて、個人でも情報発信をしているような人はどちらの記事も同じアカウントで対応できる。

登録には時間がかかるらしいが、一週間くらいあればクロールしてもらえる。Wordpressを使っている場合には、さらに簡単に実装できる。「google author」や「google plus」というキーワードで検索すると、プラグインを見つけることができる。同じ記事をいろいろな所に配信している人はインデックス登録してもらえないことがある。有名な方が優先されてしまうので、自サイトの記事を配信する場合には注意が必要だろう。

記名入りの記事が、劇的にトラフィックを増やすということはないだろうが、検索するたびに名前を見ることになるので、累積的な信頼性は増すはずだ。

この方法をプロモートしたいと思った理由はいくつかある。最初の理由は最近Twitterのアカウントを凍結されたからだ。予告無く凍結される可能性があるサービスだけに依存するのは危険だ。

次の理由は、こうしたネットワークが必要とされていると思うからだ。会社が経済活動の主役だった時代には、専門家のネットワークは特に必要とされなかった。上司に言われて競争しながら働いていれば良かったからである。こうした働き方は「所属型」と呼べる。ところが現在必要とされるのは、専門家が役割を分担しながら働く「チーム型」だ。チームを形成しようにも、専門家がどこにいるのかが分からなければ、形成できない。

100x100現在のネットには意外とプロフェッショナルな意見をまとめられるツールが少ない。例えば、ジーンズに詳しい人が、ブログを使ってプロフェッショナルな見解をまとめる。その記事を読めば「この人の記事をフォローしてみたいな」という気持ちになる人もいるだろう。google plusはグループを細かく分けて管理できるので「アパレルの専門家」といったグループを作れる。同じように「ジャーナリズムの専門家」もグループ管理できるはずである。

こうしたプロフェッショナルなネットワークは、ネット界の有名人(いわゆるアルファブロガや識者)以下、個人の情報発信者以上というポジションにあたる。もちろん自前で紳士録を整備することもできるが、強力でみんなが使っているプラットフォームがあれば、それを使った方がよい。

FOAFなどで個人管理をしていた時代には「これからは人と人のつながりをネットが記述するようになるだろう」と主張しても、単なる絵空事だと考えられていた。今ではTwitterやFacebookといったツールがあり、こうしたアイディアを笑う人は誰もいない。ニーズがあるサービスはやがて使われるようになる。

ただし、googleはSNS分野facebookに負けた過去がある。仕組みが複雑で広がらなかったのだ。このように、全く新しい所から別のツールが台頭してくる可能性はあるだろう。

Twitter Cardsを利用する

最近、Twitterに「概要を表示する」とか「画像を表示する」とかいうリンクが付いている投稿がある。知っている人は知っているのだと思うのだが、Twitter Cards(リンク先はTwitterの仕様書)という仕組みを利用している。特に写真は直感的でわかりやすいので、写真素材を使ったサイトは、ぜひ利用を検討すべきだろう。tumblrではこのように表示される。

twittercards001

Twitter Cardsにはちょっと分かりにくい仕組みがある。申請方式になっているのだ。つまり、タグを実装しただけではカードが表示されない。申請にはかなりの時間がかかる。「数週間」ということになっているが、本当に数週間待たされる。

twittercards002

しかし、いったん認証されてしまうと、ドメイン全体に効果が及び「過去にさかのぼって」展開されるらしい。同じドメインの中で複数サービスを展開するというのはよくある話だ。また、tumblrのようにオリジナルドメインが使えるものは、別途申請しなければならないらしい。ドメインごとに表示するかしないかを切り替えているようだ。

さて、この仕組み「メタタグ」という情報を読み取っている。メタタグは、具体的にはFacebookとTwitterで使われている。分かりにくいかもしれないが、title、description、url、imageは共用だ。

<meta property=”og:type” content=”article” />
<meta property=”fb:app_id” content=[app_id] />
<meta property=”og:title” content=”Key Questions” />
<meta property=”og:description” content=”key Questionsは次世代クリエータのためのちょっと変わった考察プラットフォームです。” />(もしくは、各記事の概要など)
<meta property=”og:url” content=”http://wpmu.hidezumi/” />(もしくは、各記事のURLなど)
<meta property=”og:image” content=”http://wpmu.hidezumi.com/keyquestions_logo_150.jpg” />
<meta name=”twitter:card” content=”summary” />
<meta name=”twitter:site” content=”@hidezumi” />

Facebook(リンク先はFacebookのデバッガ)にもTwitterにもこのような情報をテストできるツールがある。また、Wordpressにはこのようなメタタグを自動的に付加してくれるプラグインがあり、特に難しい技術仕様を知らなくても展開することが可能だ。

このメタ情報はいろいろな所で利用されるので、ブランディング対策を行う必要がある。気まぐれにいろいろなキャッチコピーを付けたり、ロゴを使ったりしていると、収拾がつかなくなってしまうに違いない。(と、いうより収拾が付かなくなりつつある)

ということで、サイトのマネジメントをしっかり行う必要がある。また、いろいろなところでロゴを使っているので、ウェブサイトやサービスを提供する時には、サイト用に集客効果がある(または印象に残りやすい)ロゴを作る事を考えるとよいと思う。企業ブランドの場合ロゴのガイドラインにオンラインサービス用の規定を設ける必要もあるだろう。