ヤフオク

古いマックをメイン機として使っているのだが、最近どうも様子が怪しい。スリープしたら電源が切れて時計がリセットされていた。それから怖くてスリープされられない。電池で起動したところ10分で反応がなくなった。だからノートなのに動かせない。常時機動させていたらハードディスクにも悪いだろうなあと思う。この手の機種は内蔵電気がイカれると機動すらできなくなるのだ。

古いソフトを起動するには古いPPCのデスクトップ型が良いのではないかと思った。今はどうか知らないが昔のマックはよく働く。何せ1999年に買ったデスクトップ機をまだ使っているのだが、これがちゃんと動くのだ。

中古屋で10,000円のG5を見つけたのだが、ハードディスクがない上に持って帰るのも面倒だ。小さいのないかなあと思って探し当てたのがヤフオクだ。1円とかごろごろある。もし1円で落札しちゃったら、送料で大変なことになるんじゃないかとも思った。

あまりにも世間知らずだった。

価格がつりあがり始めたのは終わり二時間ほどになってから。見ているうちにどんどん値段が上がる。最近の機種はあっという間に10000円を超えて手の届かないことになった。つられて値段を上げてゆくわけだが、ふと冷静になった。いくつかはジャンクなのだ。つまり動かないのである。ハードディスクは入っているのだが、?マーク(昔はサッドマックとか言ったのだが、今のは何ていうのだろうか)が出ているのがある。多分壊れているっぽい。動作確認済みとか書いてあるが、iMacの最近のやつはハードディスクはずすのめちゃくちゃ大変だよ、知ってるの、というものまで値段が上がってゆくのだ。結局動かないノートが3000円くらいになった。後から考えるとばかげているが2000円くらいまでは入札していたのだ。

古いパソコンなんか誰も見向きもしないだろうと思ったのだが、ライバルが現れた。この人がどんどん値段を吊り上げてゆく。4000円くらいで誰も入札していない同機種があるので、だいたい3000円くらいが相場なんだと思う。2台あるうちの一台は2500円で競り落とされた。最初はわざわざ吊り上げているのかと思ったのだが2台とも欲しいらしい。一台目は2000円で降りたたのだが、こうなると不思議なもので「最後の一台」が欲しくなる。完全に誤認だ。来週にも同じようなものが出るのだろうから。結局、3000円で落札した。値ごろなのかはよくわからない。

いつのまにか時間は深夜1時になっていた。多分、ヤフオク的にはピークタイムなのではないかと思う。いくつもの商品が日曜の深夜(つまり月曜の朝)が締め切りになるように設定されている。そのまま心臓がどきどきして眠れず、結局、朝まで眠れなくなった。

同じことをもう一度繰り返したいかといわれると、微妙なところだ。夜眠れなくなるのは嫌だからだ。だが、この「競る間隔」には麻薬的なところがある。闘争心って快楽物質を放出するんだなあと思った。ヤフオクで散在する人、結構多いのではないだろうか。

そもそも、本当に使い物になる機種が来るのだろうか。今は別の意味でどきどきしている。もしかしたら全く使い物にならないものを買ってしまったかもしれないし、最悪届かないかもしれないのだ。

コメはいつめしに変わるのか

外国人から日本語について聞かれてもにわかに答えられないことがある。コメはいつめし(あるいはごはん)に変わるのだろうか。普通に考えると電子炊飯器に入れた状態はコメだが、出したときにはめしになっているということになる。では、透明な炊飯器があり中身が見えたとして、いつからめしになるのだろうか。

この質問は問いの立て方が間違っている。めしをみて「これはコメか」と問われれば「はいそうです」と答えるからだ。つまり、コメはめしに変化したのではないのだ。だが、生米をみて「これはめしだ」という日本人はいない。つまり、コメに「食べられる」という属性を与えたものがめしなのだ。

同じことは水にも言える。水を温めたのがお湯だ。お湯は水であるが、水はお湯ではない。水に「温かい」という属性を与えたのがお湯である。お湯に場合は事情が異なっている。40度程度はぬるま湯と呼ばれるが、これが30度の場合には水という人が多いに違いない。つまり何度からがお湯とはいえないのだ。ちなみに温泉法によると25度以上のものは温泉と呼ぶらしい。法律的には25度以上はお湯なのだ。

ではこれが日本語特有の現象かと言われればそうではない。小麦(wheat)を粉にしたものが小麦粉(flour)で、これを加工したものがパン(bread)だが、焼かれていない状態ではパンとは呼ばず生地(dough)と呼ばれる。食べられない状態のパンを生地と呼んでいるのだ。だからコメがいつめしになるのだと聞かれたら、小麦はいつ生地になり生地はいつパンになるのかと聞けばよいのだ。コメはあまり形が変えずに食べられるのでこのような混乱が起こるのだろう。

預金を守るにはどうしたらよいのか

「安倍政権はけしからん」とか「安倍総理はけしからんというやつはけしからん」という人は多い。Twitter民主主義界隈ではさまざまな話が飛び交っている。そこでいつも「この人たちは何かあったときのための防衛策は考えているのかなあ」と思う。

日本の財政はトレンドとしては破綻に向かっている。国民貯蓄を政府がばら撒くことで政治が成り立っているからだ。国民の間には追加経済対策を望む声が多いが、これは国民貯蓄をばら撒いてくださいというのと同じことなのだ。

政権を維持するために「消費税増税を延期すべきだ」という意見もなくならない。にもかかわらず法人税は減税され続けている。生活保護受給者をいじめて経費削減をという人はいるが、票田になっている年金受給者への支給を減らせという人はいない。国中が分配を求めているわけで、これでは財政が良くなるはずはない。

だが、状況は変わり始めている。マイナス金利は銀行に対する課税措置だ。手数料は日銀でなく国庫に入るのだそうだ。つまり日本は資産課税を開始したのである。資産に課税することについては賛否あるだろう。余剰の資本が金融市場を荒らしているのは確かだ。また、格差が広がっているので、全部がいっぺんに破産すれば、すべてがチャラになる。究極の平等政策でもある。

財政が破綻すると預金は封鎖される。通帳の数字は残っていても原資になるお金がないからだ。ギリシャのように引き出し制限がかかるだろう。たんすに円を預金しておけばよいのではと思う人がいるかもしれないが、これも効果がない。日銀は円を切り替えるという名目で市中にある通貨を単なる紙切れにすることができる。新円切り替えと呼ばれる措置だが、これも実績がある。

第二次世界大戦後の財政破綻では国民のほとんどすべてがいっぺんに困窮した。困窮は首相や皇室にまで及んだということである。ところが、今回は平等な破綻は起こらないかもしれない。情報を握っている政治家たちやそのお友達は事前に資金を海外にフライトさせるだろう。

防衛策は簡単だ。海外の銀行に資産を移せばよいのである。急には作れないのだから、事前に準備しておいた方がよい。海外で口座を作ったら、定期的に資金を移動する必要がある。使っていない口座は凍結される恐れがある。郵便局に行けば一回2,500円で送金してくれる。受け取り側の銀行にも手数料が発生する。利用している銀行の手数料は15ドルだった。

資金フライトを恐れているのか、オンラインバンキングで海外銀行への振り替えを実施している邦銀はない。用紙に書き込む必要があるのだが、一度送金した情報を元に振込用紙を印刷してくれるサービスがあるそうだ。送金時には、マイナンバーを登録してある口座から振り込むか窓口でマイナンバーカードを見せる必要がある。なので海外に移した資金は政府に把握される。

海外の銀行にある預金でも日本のATMでも引き出せる。銀行によって違うと思うのだが、契約している銀行では郵貯、セブンイレブンで引き出せるようだった。ただし、照会と引き出しにはそれぞれ5ドルの手数料が必要だ。ただし、VISAデビットがついており、これで買い物をすると手数料はかからない。為替レートも中値でそれほど悪くなかった。VISAデビットはクレジットカード代わりに使える。

口座のチェックはインターネットでできるので、支店を訪れる必要はない。最近はチェックを頼まなくてもメールで個人に支払いができるらしい。一番困るのはコミュニケーションかもしれない。問い合わせ自体はSKYPEを使えば無料なのだが、スタッフと話すのに現地言語が必要だ。英語(シンガポールや香港を含む)ができない人はきついかもしれない。

確証はないが、日本政府は富裕層が海外金融機関を使うのを嫌がっているようだ。邦銀からの海外送金は不便なままだし、海外からの受け取りにもマイナンバーが必要。富裕層相手のシティバンクのリテールを潰したといううわさもあるし、アメリカのE-Tradeも日本居住者向けのサービスを停止してしまった。海外の銀行は日本の財務当局の「監視」が難しいからだろう。超富裕層向けにはサービスを実行しているのかもしれないが、一般庶民は海外口座が持ちにくくなっている。

もし、どうしても銀行口座が持てないというなら、あとはドルをたんす預金するしかない。これは北朝鮮などでよく行われている方法だ。ハイパーインフレに苦しんだジンバブエは自国通貨を廃止して外貨しか使えないようにしてしまった。

Sankei’s Paranoia

I was bit surprised. One of Japanese leading newspapers Sankei called a demonstration protesting Abe’s “war law” as a Nazi-alike activity.

It is cognitive dissonance. Sankei and its supporters believe they are doing right things. However, they are frustrated because young people don’t follow Sankei. They internally explained that was because young people ignorant and immature. But the anti-government movement showed they are not ignorant but willing to change the situation. So they have changed their explanation. The young people are protesting because the young people are brainwashed by a evil party like Nazi.

Ironically, the movement is ignored by Japanese voters. About 50% of voters still supporting Abe because it is still better than DPJ’s traumatic three years. Japanese voters are afraid of changes. Only right wings feel the movement is a threat and can’t help calling the movement a Nazi like activity.

Recently Sanae Takaichi a minister of Internal Affairs and Communications told the government could suspend a broadcasting station if the government judged programs were unfair. It must be a shocking comment for westerners but Japanese voters didn’t react much nor called it a Nazi alike attitude.

Japanese have enjoyed full spec democracy for 70 years but it seems that the US failed to “install” democracy to Japan.

池田信夫さんはマックを使うといいんじゃないか

どうでもいいといえばどうでもいい話なのだが、池田信夫さんがLENOVOのパソコンについて怒っている。どうやらOSをアップデートしようとしたところ、不具合が生じて、最終的にデータが吹っ飛んだのだという。そこで中国は信用できないと息巻いているのだ。

いや、LENOVOのパソコンはいいパソコンですよ。作りが単純で頑丈なので持ち運びに気を使わないし。HDやメモリの入れ替えなどのメンテナンスも楽だし。メモリやSSDも安くなっているので、改造のしがいもある。個人的には中古で買ったので「安いのによくここまで動くなあ」と思った。

とはいえ、OSを入れ替えたらデータ吹っ飛んだというのは、さすがに引くなあ、とは思った。確かに、OSをアップしたらタッチパッドとか無線LANが動かなくなったという話はよく聞く。LENOVOのウェブサイトに案内されている方法ではだめで、手動で直したという人が多い。これ、中国(LENOVO)のせいというよりはアメリカ(マイクロソフト)のせいだろう。

OSの切り替え時にパソコンを買い換えたのもよくなかった。どのOSでも切り替え期の新製品は人柱だ。問題が枯れてから価格COMなんかで評判を見て買うのが正しい方法だろう。

いずれにせよ、OSを入れ替えるのにバックアップ取っておかないっていうのが「狂ってるなあ」と思う。Macにはタイムマシーンという方法があり、外付けのハードディスクに取ったバックアップから復旧できる仕組みが整っている。だからOSを入れ替える前にタイムマシーンするのがお決まりだ。デスクトップPCであれば、複数のハードディスクに違うバージョンのOSを入れておくこともできる。最悪データが吹っ飛んだらネットでリカバーできる仕組みもある。高いといわれるMacだが10万円を切るminiというカテゴリがある。(Mac Miniについては別途調べた。その記事はこちら

一方、Windowsはバックアップを取るのが意外と面倒だ。

さらにWindowsで驚くのが「クリーンインストール」という言葉である。Windowsパソコンが重くなったというと、お決まりのように「できればクリーンインストールを」と言われる。最初はからかっているのだろうと思ったのだが、どうやらそうではないらしい。相手は真顔だ。しばらく使っていたら重くなって復旧できないなどというのはMacintoshの世界では冗談でしかない。

手持ちのXPパソコンをWindows10にした人もいるらしいのだが、XPからWindows10にするためにはクリーンインストールしか手がないのだそうだ。古いパソコンは捨てて新しいの買ってくれという意味だとは思うのだが、あまり便利でもないし、クールでもない。

池田さんは動画の編集をしなければならないので、49,000円のパソコンで一番早そうなやつを買ったとのことだがが、Macであれば最初から動画編集などができるツールを揃えることができる。素人が使っても使いやすいようにインターフェイスが工夫されている。他社製品と組み合わせる必要がないので、ドライバーも安定している。

ということで、池田信夫さんはDELLなんか買わずにMacを導入すべきなのではないだろうか。しつこいようだがMacが欲しくなった方はこちらもごらんいただきたい

友達の喧嘩にまきこまれた – 検索ワードから

検索に使われたキーワードから面白そうなものを抜き出してみた。いろいろ悩んでいる人が多いらしい。

Q.友達の喧嘩にまきこまれた
A,.それは大変ですね、としか言いようがない。

Q.マイナンバーカード Felica
A. Felicaではなく、ISO/IEC 14443 TypeA/Bという規格らしいが、よくわかりません。これお仕事だったのだろうか。調査に協力できなくて申し訳ない。

Q.マイナンバーカード 点字
A.確かに必要かも。申請すれば付けてもらえるらしい。知らなかった。

Q.プラモデル火事
A.それは大変でしたね。シンナーに引火するの?

Q.Lineやめられない
A.スマホをお風呂に沈めてみてはいかがか。

Q.文明の衝突問題点
A.それは僕も知りたいですがわかりません。イデオロギーなき世の衝突を文明で代入しただけという批判があるみたいですね。

Q.ハイルヒトラー意味
A.ジーク・ハイルは「勝利万歳」という意味らしいが、ハイルは英語のWholeと同根で「完全な」とか「健康な」とかいう意味があるようですよ。

Q.オリンピックいらない
A.かかわる人が次々と不幸になる。最近ではパラリンピックの応援団のSMAPとか。確かにいらないという人の気持ちもわかりますね。

Q.シュレーバー回想録
A.「なにそれ」と思ったのだが、フロイトでしたね。すっかり忘れていた。

Q.戦争は平和である。
A.元ネタは『1984』ですね。最近では安部首相もキムジョンウンも使っていて、東北アジアでは流行しつつあるみたいだ。

Q.MBTIキャラ
A.だからあれは占いでもキャラでもないの。

Q.アベノミクスどうなった
A.どうなったんだろう。失敗したんじゃないですかね。

Q.二重ルーターメリット、デメリット、設定
A.このワードが検索されるたびに5000円くらいで相談に乗ってあげられるのにと思う。ちゃんと設定すれば二重でも三重でもきちんと動くよ。

Q.クリスランガン
A.まったく記憶になかったが、マルコム・グラッドウェルの本に出てきたらしい。

Q.ジェームスディーン・ゲイ
A.へえー知らなかった。本当なのか。過去にそんな話を書いたのかなあ。

Q.放蕩息子の帰還現代的意味
A.そんな哲学的なこと書いた覚えはないが、あれは父の赦しについて書いてある。現代的な意味合いはなくて、かなり普遍的な話だと思うよ。

古いXPパソコンをできるだけ安全に使う

中古屋でWindows XPの搭載されたパソコンを買った。4,000円だった。インテルの「非力」とされるCPUであるATOMを積み、2009年頃に作られた「ネットブック」と呼ばれるタイプだ。

安いパソコンは気安く使える。折り畳んでそこらへんに転がしておけばよい。高いノートパソコンだと壊れそうで、そんな扱い方はできない。薄いノートパソコンはハードディスク交換をするためには、複雑な手順を踏んで分解をする必要があるが、このネットブックは裏のラッチを外すだけでハードディスク交換ができるらしい。

さて、問題はこれが「使えるか」どうかだ。もちろん、きっちり動くのだが、Windows XPはサポートが終っている。セキュリティホールがあっても塞がれないために、ネットにつないで使うのは「犯罪行為」だとさえ考えられている。

ウィルスは外部からやってくる。具体的にはメールとブラウザーである。ということで、標準メールソフトは使えなさそうだ。ブラウザーも備え付けのインターネット・エクスプローラー(ちなみに、悪名高いあのバージョン6が付いてくる)を使ってはいけないだろう。危険すぎる。

幸いなことに、Google Chromeはまだ最新版が使えるようだ。Chromeを導入すると、文書作成、スプレッドシート、写真の保管、メールの管理、映像の閲覧(YouTube)などができる。これらはすべてGmailのアカウントにヒモづいていて、15GBの容量が利用可能だ。細い回線では使い物にならないのではないかと思ったが、とても軽い。なんとか実用に耐えるくらいの速度は確保できているようだ。テレビ画面にフルサイズの映像を映すと、裁定レベル(144p)で再生された。CPUの影響というより回線が細いのが影響しているのかもしれない。

「Googleの世界」にファイルをアップロードするとウィルスチェックが実施される。ファイルは各地のデー多センターにバラバラに保存されるそうだ。ユーザーは自前でウイルス駆除ソフトを動かす必要がない。ブラウザーさえ最新版にしておけば、セキュリティ的には問題がなさそうである。

セキュリティのことを考慮するとXP上でできる作業はほとんどないのだが、実はそれほど必要でもない。Microsoft PCが Googleに乗っ取られたような形になっているのだ。

「乗っ取られた側」のMicorosoftはGoogleのウェブストアで無料版のExcelとWordを配布している。複雑なのは無料版ExcelとWordを使う為には、Microsoftのアカウントを取らなければならないという点だ。また、新しいパスワードが必要になるのだ。Googleのメールアカウントでログインすることになり、エリアスという形でoutlook.comのアドレスを取得する。Microsoftも様々なIDを統合しているために。Appleで見た以上の「ID問題」が起こる。このアカウントはWindows8あたりでは標準で取得しなければならないらしい。今後「IDをなくした」とか「実名が晒される」などという苦情が蔓延するのは目に見えている。職場でパソコンを使う人はたいへんだろうなと思う。

また、Microsoftを相手にするためには、Microsoft語を解読する必要がある。「Microsoftアカウントで、すべての無料サービスが解除されます」という不可解なメッセージがあるのだが「登録したら、無料のサービスが使えなくなるの?」という疑問が湧く。そもそも使っていないサービスを解除するというのはどういうことなのだろうか。多分、無料で使えるようになるくらいの意味なのだろうが、よく分からない。

いずれにせよ、MicrosoftのパソコンがGoogleに乗っ取られ、その上でまたMicrosoftが領域を作るというとても不思議なパソコンができ上がった。クライアントとして使うぶんには「十分使い物になる」というのが結論だ。パソコンが壊れてもデータはすべてサーバー上にある。写真のようなデータは、古いパソコン(こちらはインターネットには接続しないことにする)を転用したサーバーなどに入れておいてもよいかもしれない。

もちろん、問題もある。Googleドライブにアップするファイルを不正に読み込むウィルスというものが存在するそうである。こうしたウィルスに感染すると、サポートされていないOS上の駆除は「システムのクリーンインストール」しか手はなくなるだろう。Andoroid端末ではバイドゥが「正規流通するマルウェア」でユーザーの情報を盗み見していたことが話題になったばかりだ。つまり「Googleの世界」がセキュリティ的に万全ということはなさそうなのだ。

ブラウザのパスワード管理機能もどうやらかなり怪しい。Firefox経由で貯め込まれたユーザーIDとパスワードはしっかりChromeに引き継がれた。ということは、ブラウザーのデータはクライアントレベルでは「引き抜く」ことができるのだ。

それより怖いのは、Googleのパスワードが他から流出してしまうことだろう。試しにチェックしたところ、しっかり流出していた。今は変えてしまった古いパスワードが他サービス経由で流れたようだ。Googleのパスワードが流出すると、ほとんどのサービスのパスワードがリセットできる。データがすべて乗っ取られるということが起こるだろう。

Microsoftアカウントは「実名がばれて怖い」という書き込みが多い。しかし、よく考えてみるとオンライン上の活動の多くがGoogleに依存するようになると、実はGoogleアカウントが「実名」で、戸籍上の本名は「エリアス」みたいなものだという考え方もできる。Googleは、チャットやメールの内容、ドキュメント、見た映像の履歴、サイトの検索結果などすべてを握っている。プライバシーの侵害を気にし出すと何もできなくなる。

もちろん、古いOSを使い続けるということが安全とは言えないのだから「古いままでも使い続けられますよ」という結論にはできない。一方、新しいOSを使っているからといって安心とは言い切れない。パスワードは盗まれる前提で管理しないと、いざというときにたいへんなことになりそうだ。

多分、古い概念でパソコンを捉えている人は、パソコン教育というと、BASICのような教育用プログラミングや、OSやMicrosoft Officeの操作を教えるというようなイメージを持つのだと思う。しかし、それよりも重要なのはアカウントの管理の方法を教えて、セキュリティ教育をするということなのだろう。

TED2のコマーシャルは何を言っているのか

テレビを見ていると突然ヒワイなコマーシャルが流れてくる。聞いていて恥ずかしくなるが、誰も問題にしない。ちなみに内容を翻訳するとこんな感じらしい。最近は英語ができる子供もいるので「お母さん、これどういう意味?」と聞かれないとも限らない。

テッド;ノートPC借りてもいい?
ジョニー:いいよ、どうぞ
テッド:なんてこった!
ジョニー:どうした?
テッド:ポルノばっかりだ!
ジョニー:そのうちキレイにするつもりだったんだ。
テッド:なんて整理方法なんだ。時計回りのリムジョブ(※1)、反時計回りのリムジョブ?
ジョニー:別の方向から舌を回したいときもあるだろ。
テッド:男性器のあるカワイコちゃん(※2)?
ジョニー:オーマイゴッド! 俺は病気だ。だろ? 助けが必要なんだ。
テッド:ジョニー、男性器のあるカワイコちゃんなんていないの、これはオッパイの大きな男なの。

※1 リムジョブとは、オーラルセックスの一つの方法らしい。グーグルで画像検索するとどんなものか分かるが、気持ち悪い画像がたくさん出てくるので、やめたほうがいいと思う。
※2 チックとはひよこの事だがかわいい女性を意味する。グーグルで画像検索するとたくさんのひよこの絵が出てくる。ディックは人名だが、男性器の俗語でもある。

Ted2のCMはYouTubeにたくさんアップされている。早口なので聞き取れない部分もあったが、検索すると文字起しをしている人もいた。

バターが足りない

関東のスーパーマーケットの中には売り場からバターが消えた所がある。どうやらバターが足りないらしい。調べてみるとわからない点が多い。

バター不足の直接の原因は生乳の不足だ。生乳が足りなくなると本来バター作りに回すはずだった分が使われる。故に生乳が少なくなれば真っ先になくなるのがバターなのだそうだ。

生乳が不足しているのは、後継者不足が原因で北海道の酪農家が減っているからである。酪農家の減少は酪農の大規模化により補完されているのだが、それでも補いきれなくなっているらしい。また大規模化にも適正レベルがあり、ある程度以上大きくなると「スケールデメリット」が生じるのだという。

これを「酪農の構造的問題」と指摘する人たちがいる。(「バターが不足〜岐路に立つ酪農〜」)構造的問題とは、酪農家の減少、円安によるエサ代や電気代の高騰などが含まれる。後者はいわゆる「アベノミクスの副作用」である。

では、輸入すればよいのではないかと思われるが、バターには高い関税が課せられているのでそのままでは海外からバターが入ってこない。このため農林水産省は2014年度に2回もバターを緊急輸入せざるを得なかった。

バター不足の原因を見ると、自由貿易の問題が含まれることがわかる。自由貿易環境下では、円安が進めば「自動的に」国内の酪農家が淘汰されてしまうはずだが、海外の代替品が流入するのでバターの取引量と価格そのものは適正水準に維持されるはずだ。TPPのような自由貿易協定は「アベノミクスの第三の矢」である「構造改革」「規制の撤廃」に含まれる。

週刊ダイヤモンドによると、バターの値段は乱高下を繰り返しているという。単純に自由化すればよいというものでもないらしい。

雑誌のフォントについて考える

さて、ファッション雑誌について考えている。手持ちの雑誌から要素を取り出す。主にモデル写真、アイテム、ヘッダー、記事本文を準備する。その他に特集のロゴを作って「適当に」並べると…

雑誌は作れない。代わりにできるのはシロウトが作ったチラシみたいなものになる。特に難しいのはフォントの選び方だ。パソコンにはたくさんのフォントがインストールされており、何を選んでよいか分からない。

20131014_font日本語のフォントには「明朝体」と「ゴシック体」と呼ばれるものがある。基本になっているのは明朝体である。もともと漢字には秦の時代に完成した隷書体と呼ばれる書体があった。そのあと筆で書かれるようになり、行書・草書と呼ばれる書体ができた。さらに、一文字づつ独立するようになり楷書が成立する。この楷書を単純化したのが明朝体だ。

楷書を木に彫って活字が作る。最初は職人が彫っていたが、やがて線が単純化された。明朝の時代に完成する。このように中国では古くから活字が使われていたことになる。現在の系譜につながる活字は中国で布教していた外国人が長崎に持ち込んだ。1869年のことだ。そのまま「明朝体」として定着する。

マッキントッシュにはヒラギノ明朝と呼ばれる書体が付属している。雑誌向けに縦でも横でも組めるように作られたのだそうだ。すこし「モダン目」な見た目がするらしい。だから、この書体だけを使って雑誌を作る事ができる。一口に明朝体と言っても、その見た目はかなり進化している。プロとスタンダードという2つのセットがある。プロがプロフェッショナル用というわけではなく、文字の数の違いだそうである。だから、日本語の場合「ヒラギノ系」だけを使っていれば間違いがないのではないかと思える。

日本語の活字はひらがな、カタカナ、漢字まじりになっている。ひらがなはもともと連続して書かれることが前提でデザインされているのでコンピュータでそのまま使うとバランスが悪くなる。このためデザイナは一文字づつ調整するか(デザインの世界ではこれが正当とされている)すべてツメてしまう。これをそのまま放置すると「シロウトのチラシっぽい」印象がうまれる。ヒラギノは、ツメなくてもそれなりの印象になるようにデザインされているとのことだが、見出しに使う場合には調整する人が多い。明確なルールはなく「長年デザイナーをやっているが、どう調整するのかいつも悩む」という人もいる。

デザインの学校では、「本文は明朝体でタイトルはゴシック体」と教わる。もともと欧文フォントにはサンセリフしかなかった。まずはGaramondのようなオールドフェイスと呼ばれる書体がうまれる。その後印刷技術が発展し、トランジショナルと呼ばれるフォントが発展した。Baskervilleなどが有名だ。そして、装飾性が高いモダンと呼ばれる字体が作られた。DidotやBodoniなどが知られている。モダンフォントはファッション雑誌などでよく使われている。ArmaniやVogueなどはDidotだ。

そのうちインパクトがあるエジプシャンと呼ばれる字体が作られた。さらにそこからヒゲ(これをセリフと呼ぶ)が除かれてサンセリフと呼ばれる書体が作られた。これがアメリカ合衆国でゴシックやグロテスクなどと呼ばれた。日本ではこの呼び方が定着し、欧文フォントのサンセリフに対応する「ゴシック体」と呼ばれるフォントができた。つまり、ゴシック体はもともと東洋系の字体にはなかったことになる。

学校通りの「本文は明朝体でヘッダーにのみゴシック体」を使うというやり方は中高年が読む週刊誌以外では見られなくなっている。新聞系のAERAでは明朝体の太いものを見出しに使ったりしているが、ファッション雑誌の中には明朝体が絶滅しているものもある。

フォントやタイポグラフィーの本を読むと、ゴシック体を毛嫌いする人たちも多いらしい。なんとなく「叫んでいる」感じがするのだという。もともと、線が細い明朝体と比較して、太い線が使われていたからだ。しかし、それがマーケティングで多用されるようになる。新しい感じがしたからではないかと思われる。また、携帯端末では識字性を考慮してゴシック体が使われるので、ゴシック体こそが日本語フォントの基本なのだと感じる人たちがあらわれても不思議ではない。書文字からも筆跡が消えていて丸文字と呼ばれている。一方、活字であるはずの明朝体も書文字のお手本になっている。このように、口語だけでなく、書文字も徐々に変化しているのだ。

実際に雑誌を見ると「細い線のゴシック体」に「太い線(ウェイトが太いと言う)の明朝体」という組み合わせも見られる。ちょっとした混乱状態である。チラシや店頭のポップなどを見ると、さらに混乱していて多様なフォントが使われていることが分かる。DTPが発達しているので特に意識しなくても多様なフォントが使えるようになっているからではないかと思われる。

20131014_chap古い書体である隷書体は「伝統的で東洋的」なニオイがするらしい。活字に起されて牛丼店のチャプチェ牛丼ののぼりに使われていた。

しかし、こうした様々な印刷物を観察したあとで、中高年向けの雑誌を読むと「とても退屈な」気持ちになる。英語版のVogueにもセリフやサンセリフのフォントが混在している。教科書的な使い方をふまえた上で時々冒険しないと退屈な紙面になってしまうのだろう。ただし、やりすぎるとアマチュアがつくったチラシみたいなものができてしまう。なかなかバランスが難しいところではある。