昔作った曲をYouTubeで発表する
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1990年代にMacintoshを買ってしばらく作曲をしていた。当時はハードウェアの音源をシーケサーソフトで鳴らすという構成だった。
Yamahaのサイトで見ると希望小売価格80,000円ということだったので、定価ではないにしてもかなり思い切って買ったのではないかと思う。FM音源とPCM音源を掛け合わせて音を作っている。FM音源はいわゆる1980年っぽい「シンセっぽい」音がする機構だ。
ある日「YouTubeで発表できるんだ」と思いつくまで、このTG-33で作った曲は単に埋もれてしまうんだろうなあなどと思っていた。作った曲はプレイリストを使って共有もできる。
ただし曲だけでは発表はできない – 動画が必要
調べてみるとYouTubeは曲だけをアップすることはできないようだ。だからどうにかして映像にする必要がある。iMovieというムービーを作るソフトを自分が持っているのは知っていたのだが、なんとなく使い方が難しそうで諦めていた。
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そこで意を決して使ってみたのだが、ウィンドウにフッテージを並べてゆくだけで映像が作れる。YouTubeの作品を見ながら、なんでこんなにビデオが量産できるのだろうなどと思っていたのだが、こんなに簡単に作れるんだと思った。
ビデオの作成はAfter EffectとPremierという思い込みがあり敷居が高いと思っていたのだが、完全に裏切られた。あっけないほど簡単だった。凝ったものの場合には別途グラフィックスの作成が必要なようだが、基本的なことは全てiMovieで行えてしまうのだ。圧縮技術も進んでいて数分なら100MB程度で済んでしまうし、かつてのように圧縮方式を選んでくれなどという面倒なこともない。
ただ、テレビをみると名前の入ったキャプションが細かく動いていたりなど、それなりの工夫が凝らされている。iMovieはレイヤーの数が制限されているので、あまり複雑なことはできない。意外とこういうところにお金がかかっているのかもしれないと思える。
音源は全てiTunesに取り入れてあったので、これにタイトルをつけて「共有」をするだけで音楽作品が映像になった。これをアップしたところ、ほんの数分で世界公開ができた。
調子に乗ってコンピュータグラフィックに挑戦する
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iMovieを使っているうちに、これだったら映像作品とかも簡単に作れるんじゃないのかと思った。
手持ちに映像のフッテージがないので、昔使っていたPowerMac G4を取り出してきてClassicでStrata Studio Proを動かしてみた。ほとんど使い方を忘れていたのだが、なんとなくアニメパレットを動かすとなんとなく動いた。これも凝ったものは作れないのだが、直感的に動くのが良いところである。これにGarageBandで適当に音楽をつけたところ、意味不明ではあるがCGが完成した。Strataは今でもハイエンドな製品を作っており最新版は10万円程度ということである。
レンダリングについて復習する
3G作品を作る上ではレンダリングをしなければならないのだが、Phong Shadingを使うとロースペックのマシンでもそれなりのスピードで処理をすることができた。Phong Shadingは荒いという印象があったのだが、改めて見てみるとそこそこ使える映像になっている。Strata ProにはRay Tracingという光線をシミュレートするシェーディング方法もあるのだが、計算が複雑で15フレーム(15フレーム進行で1秒にしかならない)を計算するだけでも一時間かかった。10秒10時間だ。マシンのスペックのせいもあるのだろうが、現在では純粋なRay Tracingはあまり使われず他の方法などを組み合わせるのが一般的なのだそうだ。せっかくなので、代表的な三つのシェーディングを比較してみた。
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Classicからのファイルの移動
Classicからファイルを動かすのに少しコツが必要だった。ClassicからOS Xにファイル共有をすることはできない。OS XからClassicにアクセスすることは可能だがOS10.5からはアクセスできるのだが、El Capitanからアクセスすることはできなくなっているようだ。もはやそんなことを試す人がいないからなのか、なぜそうなるのかを開設した文書を見つけることはできなかった。
そこで、いったんOS10.5が動くマシンにファイルを転送してから、El Capitanが動くものに移動させなければならない。OS10.5にもiMovieはあるのだが画面アスペクトが4:3になっているので、できるだけ新しいソフトが動くほうがよいのである。
そうやってできたのがこれである。
思いつきフッテージなので全く意味はないのだが、簡単にできるんだなと思った。よく考えてみると昔は配信するのが一苦労だった。これを全部やってくれるYouTubeというのはあらためて物凄いい発明なのだと思う。