おもしろいツイートを見つけた。一連のツイートから見ると森友学園について言及している。
教育勅語や日の丸君が代をありがたがるから、犬を処分しろと迫ったり、おもらししたパンツをそのまま持ち帰らせたりするんじゃない。犬を処分しろと迫ったり、おもらししたパンツをそのまま持ち帰らせたりする奴だから、教育勅語や日の丸君が代をありがたがる。
— 菅野完 (@noiehoie) 2017年2月21日
多分、誰かに反論しているのだと思うのだが、これ多分どちらとも間違っている。A→BではなくB→Aであろうと言っているのだが、AもBもCの結果なのだ。じゃあ、隠れたCって何ですかということになる。
さて、隠れた事象を見つけるのはなかなか難しそうだ。多分、実際にこういう硬直した教育観を持った人を身近に見たことがないと想像が難しいのではないかと思う。類推するしかないのだが、かといって決め付けてしまっても問題の本質が分からなくなりそうだ。
ヒトには共感作用があり、お互いに影響を与えることができる。ただし、この共感作用にはさまざまな能力が関係しており、それが先天的・後天的に損なわれると共感ができなくなるのではないかと思う。
教育は社会の寛容性を利用してよりよい社会に参加するメンバーを増やすと言う作業だ。つまり「良い」と思ったことに人は従うのだ。だが、これが分からない人もいる。共感というルートが使えないので無理に従わせると言うことになる。教育と虐待や強制の境目があいまいなのは、従わせるルートが共感か強制かという違いしかないからだ。
「相手を操作する」わけである。いろいろなルートがある。
- 規範に従わせる:先生がそういっている・法律がそうなっている
- こっちが得である:取引を持ちかける
- 私のことがかわいそうとは思わないのかと脅す
- 相手のほしいものをちらつかせて操作する
- 暴力を振るって脅かす
1が暴走しているのが日本会議である。そもそも国旗国歌の法律を作ろうとしていた運動体だと思うのだが、法律は憲法に縛られるということに気がついたらしい。だったら憲法を変えてしまえというように変質していったのだろう。子供のころから教え込めばいいだろうと考えている節もある。日本会議の特徴は「言うことを聞かせられなかったら、もっと偉い人に働きかけよう」と考えている点だ。つまり、行動によって影響力を行使できていないということで。多分これは行動が間違っている。
トランプ大統領は別の経路を使っている。取引を持ちかけているのだ。自伝の中で「取引自体が楽しいからやっている」と言っているそうだ。取引自体が自己目的化しているので、それに合わない事実はすべて「フェイクニュースだ」ということになっている。
ちなみに3番は共依存の持ち掛けである。相手のことを親身になって考えているようではあるが実は対象物としてしか見ていないという状態だ。入院した娘を放り出して別の人の世話を焼きに言ったのを見て「長年の呪縛が解けた」という話を読んだことがある。
さらに4番目がいわゆるサイコパスの中で最も成功する部類の人たちの類型だ。共感回路が壊れているので、却って相手の考えていることが良く分かるそうである。
最後は犯罪化しやすい。しつけの一環として虐待したという親がいるが、多分本当に区別が付いていないのだろう。
共感ルートが壊れた人たちはいろいろなヒントを落とすことがある。例えば「汚いものが受容できない」というのもその一つだ。なぜそうなるのかは分からないのだが、他人が「害をなすものだ」という認識があるようだ。相手はばい菌に満ちており、それを排除するために相手をコントロールしたいという欲求があるのだろう。
トランプ大統領は極度の潔癖症で知られるそうで、検索するといろいろなエピソードが出てくる。子供のころから攻撃的な性格だったようだ。森友の事例を聞いてこういう強迫的な性格の人は相手を汚いと考えて恐れるのだなあと思った。
この手の人たちには「相手の話が聞けない」という特徴もある。これは相手が言っている論理経路にしたがって自分の中で論理が形成できないことを意味している。ただし認知に問題があるのか「聞かなくていい」と思っているのかは分からない。本から知識を得ることはできるので「教育勅語」のような固定したテキストに自分のストーリーの乗せることを「分かった」と考えてしまう。コンテクストとか書いた人の気持ちなどは読み取れないからだ。
共感による影響力を行使できず相手も理解できないからこそ、固定したテキストを暗唱させるなどという無茶なことができる。例えば普通のキリスト教の学校では聖書を暗唱させてそれを事実だと教え込むというようなことはしない。聖書を事実として教え込む人たちをキリスト教原理主義などというが、アメリカでも白人の多い地域では増えているようである。
ここまで見てきたのは、日本でもアメリカでも共感を欠いた人が台頭してきているという現象だ。こうした人たちは毎日が闘争なので(闘争をやめてしまうと相手にコントロールされてばい菌を移される)競争に勝ちやすいという側面がある。
どうしてこういう人たちが台頭してきたのかは分からないのだが、少なくともアメリカがこういう人たちに侵食されてどうなるんだろうというのはこれから行われる社会実験でよくわかることになるだろう。と、同時に森友学園も早く小学校を作ればいいと思う。多分、硬直的な教育が子供にどういう影響を与えるかということが分かる社会実験になるだろう。
シナリオどおりに子供が育てばたいした問題にはならないだろうが、いったんいじめのように人間関係から起こるトラブルなどが発生すると対処できなくなるのではないかと予想できる。
最後に「相手の分析をして頭がおかしいというレッテルを貼っている」という批判があることが予想される。確かに安倍晋三はサイコパスだというつぶやきを見つけたことがあるがこれは安易だなと思った。反社会性人格障害という別名があるのでそれに引きずられたのだろう。安易なラベル貼りはやめたほうがよいと思うが、完璧に育った人などいないのだということも知っておいたほうがいいだろう。
つまり、私もあなたもなんらかの問題を抱えているはずなのである。ただそれを個性化させて昇華できるか、それとも周りを巻き込んで苦しみ続けるかということには大きな違いがあるはずだ。