青函連絡トンネルが世界一でなくなったということに焦点が当たったゴッタルド基底トンネルのニュース。だが、知りたいことが欠けていたので調べてみた。それは「どうやったら通れるのか」というものだ。
チューリッヒからミラノに抜けるのがスイスからイタリアへのメインルートだ。この途中にアルプスがある。どうやら全ての列車がゴッタルド基底トンネルを通るようだ。乗客を乗せた本格的な営業運転が始まるのは2016年12月ということだ。営業運転が始まると3時間40分程度で抜けることができるようになるらしい。ヨーロッパの鉄道は日本から日本語で予約することができる。ただし、予約ができるのは秋頃になるらしい。
日本から行く場合には、飛行機でチューリッヒまで行き、ミラノから日本に戻る必要がある。そのような航空券をオープンジョー(開いたアゴ)といい、日本で予約できる。格安なものだと60,000万円くらいからあるのだが、アラブ首長国連邦のどこかの都市で乗り換える必要があるらしい。ヨーロッパに行くのに丸一日かかる。
とはいえ、よく考えてみるとトンネルを通っても景観がよいわけではないので、別にうれしくもなんともない。スイスの鉄道旅行といえば、ユングフラウ鉄道とかベルニナエクスプレスなどの観光列車だ。ところがこの2つはスイスの東西に離れていて、全部をうまく回るのはなかなか大変そうである。チューリッヒからサンモリッツに行きベルニナエクスプレスに乗りイタリアのティラノに行き、そこからスイスのルガーノに戻り、ルツェルンまで戻りインターラーケンを目指すという行程が考えられる。
ただ、観光列車が発達していて、ツェルマットからサンモリッツへ抜ける急行列車などを利用することができる。
スイスは東西南北ヨーロッパの要衝になっているので、鉄道を使うと、フランス、ドイツ、ベルギー、イタリア、オーストリアに抜けることができる。リヒテンシュタインのファドーツに行くにはバスに乗り換える。
ニュースの中にはゴッタルドトンネルと言っているところもあったのだが、ゴッタルドトンネルは既に開通している。今回はさらにその深いところを通るトンネルを作ったのだそうだ。それで「基底トンネル」という名前が付いている。総延長距離57キロメートルで20年の歳月と1兆3000億円をかけたビッグプロジェクトである。そこまでしてトンネルを通したかったのは、この地域が交通の障害になっていたからだということだ。イタリアからスイスに抜けるルートはドイツやフランスまで続いている。物流上のボトルネックになっていて、トラック渋滞が慢性化しているのだそうだ。地域の環境保全にも良くくないためにトンネルの掘削を選択したのだという。
ドイツからスイスを通りイタリアに抜ける鉄道が構想されているが開通は早くとも2020年の見通しということだ。