最近、リサイクルショップにはたくさんのノートパソコンが売られている。価格は2000円から5000円程度である。なぜ安値で売られているかというと、OSがサポートされなくなったWindows XPだからである。性能はまちまちだが性能的にはまだ使えるものも多い。
こうしたパソコンがサポートされていないという理由だけで使えなくなるのはもったいない。そこで登場するのが無料OSのLINUXだ。最近はUbuntuというのが人気らしく、パソコン関係の雑誌売り場にもガイドブックが出ている。Ubuntuは南アフリカの言葉で「思いやり」を意味するとのことだ。
Ubuntuも当然永久にサポートされているわけではないのだが、Windowsに比べるとインストールしている人が少なくウィルスに狙われにくいと考えられている。そのため、古いパソコンで使っても安心だとみなされているようだ。
2008年ごろに作られたNetnote用にはバージョン9や10あたりが使えるようである。小さな画面用に改良されたバージョンもある。ブラウザーとしてFirefoxが使われており、既存のWindowsやMacintoshとの設定共有ができる。メールソフトやOfficeライクな文章作成ソフトもある。これらはすべて無料である。中古パソコンを手に入れて目いっぱいメモリなどを積みましたら、ソフトウェアはすべて無料で揃えることができるのだ。国際化されているので日本語も問題がないということである。
もちろん問題もいくつかある。AppleはLinuxをサポートしていないらしく、iPhoneとの接続がうまく行かないという。iCloudで連携することはできるのだが、バックアップやバージョンアップなどの作業をしたい人は最新版の「普通の」パソコンが必要だろう。iTunesもないので、音楽や映画をAppleから買っている人は使えなくなってしまう。Googleも2016年には32bit版のサポート(と同時にXPのサポートも)を打ち切るようだ。最新版のChromeを使い続けたければ新しいパソコンを買う必要がある。Google Driveはブラウザー経由で使えるようだ。
簡単にインストールできるようになったとはいえ、やはり初心者の敷居は高い。まずファイルを落としてきて、それをCD(最近のバージョンはDVD)に焼きインストール作業をしなければならない。WIndowsやMacOSの環境を残したいと思うとさらに設定が必要で、これを間違えるとOSの起動ができなくなるそうだ。ちょっとした気力があるとできそうだが、XPもそれなりに動作している(とりあえず、今のところはFirefoxとChromeが使える)ので、なんとなく「いよいよ使えなくなったらやろうかなあ」という気分になってしまう。
なお、OSを変えてしまうとパソコンメーカーのサポートを受けられなくなるので、メインのパソコンではやらないほうが無難だ。設定して動かなくなるとGoogle先生と首っ引きになることは間違いがないので、まともなパソコンは一台確保しておくべきだろう。