熊本地方で地震が起きた。震度7だった。かなり大きな地震で、福岡でも震度4の地域があったそうだ。阪神淡路みたいな大惨事にならなくて良かったと思ったが、それでも9人が亡くなった。
そんななか不可解な動きがあった。NHKがなぜか鹿児島県の震度を表示しなかったのだ。この状況は今でも続いている。お昼のニュースでも当時の震度表記から鹿児島県が省かれている。どうやら偶然外されたわけではないらしい。(実際の図はこちらにのせた。偶然表示されなかったのだという意見もあるだろうから、ご自身の目で判断していただきたい)
【特設:熊本県で震度7】
午前8時現在、体に揺れを感じる地震の回数は、震度7が1回、震度6強が1回、震度6弱が1回、震度5弱が2回、震度4が16回、震度3から1を合わせると116回に上っています。https://t.co/wuotxJ0QyI #nhk_news— NHKニュース (@nhk_news) 2016年4月15日
これはかなり不自然だ。多分、鹿児島でもかなり揺れただろうから、地元の人たちは「なぜ鹿児島の震度が表示されないのだろうか」と思ったのではないだろうか。
これはかなりあからさまな動きだ。現在、薩摩川内市では原発が稼働している。Yahoo!によるとこの地域の震度は4だったそうである。これが反原発の人たちを刺激するのを避けたかったのではないかと思われる。Twitterは「地震が起きたあともなかなか地震速報に切り替わらなかった」と指摘する人がいる。ちょうどニュースをやっていたのだから、すぐに切り替わっても良さそうだ。
ほんの数分でNHKの上層部では「鹿児島の震度は表示するな」と指示したのだろうか。普段からそのような取り決めがあったのかもしれないし、その場で慌てて決めたのかもしれない。だが官僚的な組織で「現場の判断で鹿児島を外す」みたいなことがあり得るだろうかという疑念が生じる。
何がなんでも今すぐ、すべての原発を止めてしまえとは思わない。反原発運動は一部の人たちのライフスタイルとなってしまっているので、それはどうなのかとも思う。しかし、当地の震度を隠すというのは少しやり過ぎではあるまいか。
NHKに人たちが国民を向いていないのは明らかだ。普段どのような態度で視聴者と接しているのだろうか。受信料は欲しいが視聴者の冷静な判断力を信頼していないことになる。本当にこんな放送局を支えるべきなのか。割と真剣にそう考えた。
追記1:これを書いてから2日ほど経って、NHKは熊本付近を表示した後に九州全域を表示するようになった。さすがに一度作ってしまった地図を作り直すのはバツが悪いと思ったようだ。一方、Twitterでは「NHKは隠蔽していた」という情報が一人歩きするようになっている。
追記2:震源地が南にずれて鹿児島の震度が表示されるようになった。「川内原発に近い」と懸念を表明している人もいるが、断層は川内までは到達していないのだという人もいる。八代で震度5強の地震が起きている。この記事を書いた後で別の地震が起り、熊本の死者の数は40名を超えた。少なくとも観測史上では初の群発地震だったようだ。NHK・鹿児島・隠蔽で検索が増えており、いわばバズった状態になっている。ちょっとした隠蔽だったと思うのだが、これはかなり高く付くのではないかと思う。こうした不信感に疲れが重なるとデマのもとになる。マスコミの責任として、なぜ表示しなかったのかを説明するべきだと思う。