若者のチューイングガム離れ

政治ネタばかり書いていると心がぱさついてくるので、お菓子について調べてみた。面白いことにビスケットが3年で13%も消費を伸ばしているのだというのだ。なぜ今頃ビスケットが話題になっているかというと、オレオやリッツなどの製造がヤマザキからモンデリーズに移管されるためだ。毎日新聞が伝えるところによると、モンデリーズがターゲットにしているのは40〜50歳代なのだという。意外と高齢化している。

お菓子業界では常識らしいのだが、東日本大震災以降カンパンなどの売り上げが伸びていた。だが、飽きっぽい日本人は3年で買うのを止めてしまったようだ。ではなぜビスケットが再び伸びているのか、その理由は分からなかった。画期的な新商品が出たという話も聞かない。

となるとビスケットの影で泣いているお菓子もあるに違いない。おせんべいが減っているのではないかと予想してみたのだが、それは間違いだった。お年寄りが増えて米菓の売り上げは好調らしい。

もちろん売れ行きが悪くなったお菓子もある。チューイングガム・アメ・洋菓子などである。グミがアメの中に入っておりアメ分野の売り上げをカバーしているようだ。

洋菓子(ケーキ、カステラ。ドーナッツなど)はコンビニでコーヒーと一緒に売られているのでさぞかし人気なのだろうなあと思ったのだが、チョコレートなどにシフトしているのだという。気軽に食べられるものが好まれているということになる。現代人は優雅にケーキなんぞ食べている時間はないのだろう。勝手なイメージだが「スマホ片手に食べられるもの」か「お年寄りに好まれるもの」がよいのかもしれない。チューイングガムや飴のように食べるのに時間がかかるものは好まれないのである。

チューイングガムや飴のコマーシャルは、売り上げを落とさないためにやっているようだ。だから「息がきれいになる」などと機能性ばかりを唄っているわけだ。

お菓子業界では二極化も進んでいるようだ。

例えば、贈答品としてのお菓子の需要が高まっているらしい。お年寄りから子供まで誰でも楽しめるからだろう。一方で地方の小さなお菓子メーカーは苦境に立たされているところもあるようだ。やはりお土産にするなら老舗か誰でもよく知っているメーカーのものが選ばれる。地味なメーカーは淘汰され、大きいところだけが生き残るというのはなんとも世知辛い話だ。

手軽に食べられるスナック菓子が喜ばれる一方で、町の小さなケーキ屋さんや地方の小さなお菓子どころなどは苦しい状態に置かれているのかもしれない。例えば、専業主婦が少なくなると「ホットケーキミックスを使ってカップケーキを手作りする」みたいなことが贅沢になる。すると子供たちはスナック菓子やチョコレートに移行するだろう。一方で「セックスアンドザシティに出てきました」みたいなカップケーキが流行ったりする。

個人的にはマシュマロ好きなのだが、ほとんど店頭で見かけることはなくなった。コンビニにも置いていないところが多い。一方で、最近ではドミニク・アンセル・ベーカリーのフローズンスモアが話題になった。マシュマロの中にアイスが入っているというもの。古くからのお菓子が消える一方で、トレンドものが出てくるという状況になっているようだ。マシュマロは女子が大好きなコラーゲンが入っていると言う人もいる。「機能性訴求」は不調の証なのかもしれない。

気軽にスイッチングできるお菓子は飽きられてしまってはおしまいである。そこでメーカーは新製品作りに熱心に取り組む。しかし、日本人の飽きっぽさは世界でも例がないらしい。コンビニ菓子の中には季節ごとに新しい風味の商品が出るものがある。例えば、キットカットのように外国人から珍しがられているものもある。抹茶や紅芋など珍しい種類のキットカットがあるのは世界でも日本だけなのだそうだ。外国人の中には甘いマメ(つまりあんこのこと)を気持ち悪がる外国人もいるので、案外こういうのがクールジャパンだったりするのかもしれない。

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