鳥取県で地震が起きた。「ああ、大変だなあ、日本は地震が多い国なんだなあ」と思ってからふと我にかえった。家族がたまたま鳥取を旅行しているのだ。そもそも鳥取なのか島根なのかよく分からなかったし、テレビで出てくる地名がどこを指しているのかということも分からない。
どうやら火災が起きたり土砂崩れが起きるなどの甚大なことは起こっていないようなのだか、それでも心配になる。連絡が取れればよいだろうと考えて携帯電話に連絡を入れてしまったわけだが、そのあとで災害時には電話しちゃいけないんだっけなどと思った。留守電につながったのだが、その場で取れなかっただけなのか、つながらないのかがよく分からない。
そこでauに「電話がつながりにくくなっているのか」という問い合わせをした。問い合わせセンターは新潟県にあるらしく、センターのバイトのお姉さんは「私言われたことだけやっています」という感じだった。そこで上位の人に出てもらったのだが、まったく要領を得ない。「鳥取市中心でつながりにくくなっているという情報はあります」という。
※クレームがこないとも限らないので、お断りしておくと「このオペレータは責任感がないバイトだろう」と思ったのは私の主観です。実際にはスクリプトの問題なのですが、これを書くと長くなりそう。
後で分かったのだが、地震の中心は倉吉市あたりで鳥取市とはずれている。次に災害伝言板という言葉を思い出したので、それを聞いてみたのだが、オペレータは「言われた質問には答えるが一切提案はしない」という姿勢を崩さないのでよくわからない。
このブログで何回も書いているが、分からないのは「概念のフレームワーク」ができていないからなのだが、ロボットのオペレータはそれを理解しないのだ。多分、お客の心理的なステータスがどうなっていて何を知らないのかということを考えないとクレームが増えるだろうなあとは思うのだが、バイト感覚で責任感に乏しいオペレータは知ったこっちゃないのだろう。
そうこうしているうちに留守電を聞いた家族から連絡が入ったので、オペレータの方はガチャ切りした。罪悪感はあった。ひどい災害の場合、こういう問い合わせは増えるだろうし、オペレータを占有しているという気持ちもある。だが、どうしていいか分からないのだ。キャリアはこうした混乱が起こらないように、紋切り型でもよいから標準スクリプトみたいなものを準備しておく必要があると思う。
慌てた理由はいくつかある。家族は「災害時には伝言板を使おう」と考えるほどのITリテラシはない。だから電話がつながるかつながらないかということはかなり大きなことなのだ。
また、オペレータはしきりに「auは伝言板を準備していてauの携帯電話から聞ける」と繰り返すのだが、これがNTTやインターネットとつながるかということは分からない。それでもオペレータは自分の会社が準備しているサービスについて案内しようとする。「操作方法をお教えしましょうか」などというわけだが、連絡を取りたい家族が登録方法を知ってどうするのだろうか。
今日改めてauのページを見てみたのだが、やはり世界中のすべての人たちがauを使っている前提で説明をしている。世の中にスマホを使わない人がいたり、パソコンからチェックする人がいるということは想像していないようである。Docomoは少しマシだったがやはり不親切だ。この分かりにくさが緊急時に余計なトラフィックが増える要因なのだ。
実際に操作してわかったのだが(現在は各社とも伝言板を開設している)各社ともデータベースを相互開放しているようだ。だから、ユーザーはキャリアを意識せずに自分がアクセスできるインターフェイスを使えばよい。
Docomoの場合はiMenuのトップに「災害伝言板が提供されている」という案内が出る。iMenuはとても見にくいのだが、災害伝言板は簡単なインターフェイスだ。そこに選択肢がいくつかあり簡単なメモが10件登録できるようになっている。
一度登録したら、各社が提供しているインターネットインターフェイスに行く。試しにauの準備するURLに行ってみた。そこでDocomoの番号を入力するとデータを引き当てる。詳細はNTTが準備するインターネットインターフェイスから閲覧する仕組みである。もちろん携帯電話からも確認は可能だ。
ごちゃごちゃと書いたが、結論としてはユーザーはキャリアを意識する必要はないということだけ知っておけば安心だ。あとは自分の携帯電話からの登録方法が分かればよいということになる。
いざというときに慌てないようにするためには、一度システムを使ってみると良いと思う。だが、実際に怖い思いをしないとなかなかやる気になれないということがよく分かった。だが、システム自体は単純なものなので、いったん使えば簡単にマスターできるだろう。