Twitterは面白いツールなのだが、残酷でもある。その人の影響力が相手に覗かれてしまうのだ。例えばこのブログのRetweetもページビューと連動している。Retweetがあってもページビューが動かなかったりすると、拡散点としての価値はゼロなのだ。フォロワーの数と連動しているわけでもなさそうだ。おおむね左派は関心の範囲が狭く、情報収集には熱心ではないように思う。
松田公太さんという人がいる。東京から改選を控えた現職の参議院議員だ。このポイントにポジティブな呟きをすると拾ってもらえる。そして複数の「いいね」が付いて、Retweetもされる。あ、影響力があるんじゃないかなどと思う。
だが、これは間違いなのだ。
このツイートのインプレッションを見ると意外と広がりが少ないことがわかる。ここから先は類推でしかないのだが、狭くて熱烈なコミュニティがありそこで拡散されているのだろう。
同じような現象が反原発・戦争法案派にも見られる。そうでないコミュニティと比べてお互いのフォロー関係が密なのだ。探したら昔作ったネットワークチャートがあった。
そもそも、ツイッター民は政治のツイート自体に興味がなさそうだ。この数日で呟いた物を調べたところ、ヒットしたのは次の5つだった。
- 安倍首相が護憲派の守護神になっているという皮肉めいたツイート
- iOSがアップデートされたが、スムーズに移行できたというツイート
- ブックオフがハードオフとは違う会社であるというツイート
- 日立がコンサル営業にシフトする試みは失敗するだろうというツイート
- 韓国人はお行儀が悪いというツイート
トレンドワード入りしているとインプレッションが稼げるのだが、政治ネタは少ない。安倍首相云々の話はトレンドワード入りしているわけではないので、どうして拡散したのかはよくわからない。Retweetした人がたまたまフォロワーの多い人だったのかもしれない。
松田参議院議員はアンチが少なく熱烈なフォロワーが多いと思うのだが、こうした存在は拡散力が劣る。とはいえ影響力が上がると今度はアンチが増える。定式化はできないが、強さと広がりは別の物で、広がりと支持率も別のパラメータなのだということが分かる。
とはいえこれが投票行為にどのくらい反映するかどうかはよく分からない。多分選挙関連のツイートが盛り上がるのは投票日前の3日間くらいだろうし「他に適当な人がいないから」という理由での投票もあるだろう。情報が多すぎて人々が振り向けられるリソースが限られているはずで、数ヶ月先のことなど構ってはいられないのだろう。この時点では誰がどこから出るのかを把握している有権者はほとんどいないだろう。
全く蛇足なのだが、安倍首相が護憲派の擁護者になっているというツイートはかなり拡散した。戦争法案派(つまり左派)への反発から安倍首相よりの人もいたと考えられるのだが、こうした動きが退潮するにつれて、コンテンツとしての安倍さんは飽きられ始めているのではないかと思う。つまり、安倍首相は護憲派の存在を作っているのと同様に、護憲派は安倍さんの存在意義を作っている。相互が依存関係に陥った(つまり共依存だ)まま、双方とも衰退してゆくことが予想される。
引き続きもろもろ観察したい。