今は馬鹿な右翼の時代だ。彼らは発言することさえできない。そもそも何も考えていないからだ。だが、間違いなく時代はこの頭の悪い人に有利になっている。煽動家が彼らのニーズを満たしてくれる。
アメリカには神にこの地を任された白人がアメリカを支配すべきだと考える人で満ち溢れいている。彼らの多くは進化論を信じていない。聖書にはそんな風には書いていないからだ。これの日本バージョンの人たちは日本書紀を聖書に選んだようで、天皇の位は日本書紀に由来するなどと言い出している。これが右翼系雑誌ではなく国会で語られているというのが今の日本なのである。
こうした人たちが好んで見るのがNHKだ。NHK史観によれば、選挙前から太いパイプを維持していた安倍政権はいち早くトランプ新大統領との会談に成功したと言っている。安倍首相は未来志向で磐石な日米同盟の重要性を確認し、ドナルド・晋三という関係性を築くのだそうだ。
田崎史郎さんという自称ジャーナリストも「NHK史観」を振りかざしていた。いわゆるアベトモのお一人なのだが、最近旗色が悪い。「俺はトランプのダチ」というひとたちがいきなり沸き上り、テレビの主役を奪われてしまったからだ。トランプのダチたちは、カジュアルなミーティングだからハローだけで良いんだよなどと言っている。
だが、英語版のロイターは全く違った情報を配信している。選挙キャンペーンでの過激な発言で日米同盟に疑問を持った安倍首相が慌ててトランプ氏のもとを訪れたというのだ。
トランプ氏はまだ大統領ではないただの民間人なので、会談の位置付けも曖昧だ。だから会談で何を話し合うのかというような詳細(さらに場所さえも)最後の最後まで決まらなかった。考えてみれば当たり前で、たんなる民間人の金持ちのおっさんの元に一国の首相が会いに行くという異常事態だからだ。しかし、外国(しかも主要国)の要人がいきなり準備もなしに来たので警備は大変だっただろうう。ニューヨークといえばいわばテロのメッカだ。
その異常事態を日本人は最重要事項として固唾を飲んで注視している。だが、同時にアメリカ人は「日本はよっぽど慌ててるんだろうなあ」と見ているのだろう。多分、中国人も「安倍慌ててるってよ」と思っているだろう。
どっちを信じてもよいのだが「永遠の安定」という物語の中に安住するのも悪くないかもしれない。もうこうなったら日本書紀も書き換えて日米同盟を神勅の一つに加えればいいんじゃないだろうか。