ブログが宗教団体の圧力で消されかけたら

知り合いのはてなブログが閉鎖の憂き目に合った。経緯はよく分からないが、ある宗教団体の犯罪行為(どうやら児童虐待らしい)について書いたようだ。よっぽどひどい嘘を書いたか、本当のことを暴いてしまったのだろう。

どちらにせよ、はてなの側としては「ヤバいものは閲覧停止にしてしまえ」と判断してしまったのではないかと思う。該当箇所を削除するようにというお達しと猶予期間はあったようだ。

これについて、別の識者が「アーカイブを消されるのはひどい損失だ」と嘆いていた。が、それだけ重要なアーカイブならばそれなりにバックアップを取っておく必要があるだろう。はてなブログはMT形式でバックアップができる。これは様々なブログサービス(例えばWordpressなど)で読み込む事が可能だ。

そもそも、はてなブログは無料だ。だから、運営者側の判断で消されても文句は言えない。それでも無料のサービスが使いたいのであれば、海外で運営されている無料のサービス(例えば、Wordpress.comなど)に移行するのがよいだろう。

さらに「ブクマが消えてしまう」のが嫌なのであれば、ドメインを取ってしまうことも一つの選択肢だ。多分、1か月に500円程は必要だろうが、運営者に勝手に消される可能性は低くなるのではないかと思う。サーバーが使えなくなったら、サーバーを移転して、ドメインを張り替えたら終わりである。

残念なことにこの事例は「日本人の生産性の低さ」を如実に物語っている。第一にこうした社会運動は、個々の活動として行われることが多い。なかなか参加者同士の支え合いに発展しない。第二にグループウェアなどを使った動きが出てこない。Twitterで呟き、それをまとめて終わりといった具合である。若年層はLINEでやり取りをしているのかもしれないが、これも閉鎖系なので、運動に広がりが生まれない。

新しい世代のサービスはいくつも出ている。例えば、Googleを使ったサービスが考えられる。まず、Googleグループを作る。これはメーリングリストのように機能するが、履歴がすべてGoogleのサーバーに残るという仕組みである。テーマごとにスレッドを設定して利用するので、後からテーマが追いやすい。問題が起こったら担当者にアサインする仕組みも付いている。もちろん履歴は公開も可能なので、検索エンジン経由で新しい参加者が見つかる可能性もある。

この夏の「落選運動」の時にも思ったのだが、日本の社会運動は連帯が下手だと思う。そもそも団体活動が苦手な人たちが、価値観を押しつけられることに反発していることが多いからなのかもしれない。こうした連帯の下手さ加減は、しっかりと野党に受け継がれている。大切な時ほど、内輪もめを起してしまうのである。

運動家のみならず、日本人はチームプレイが苦手だ。これは一般的な日本人の自己像とは異なるかもしれない。特にセクションが違っている人たちの間の「無関心さ」はかなりのものだ。残業があっても「隣の人を手伝わない」のは日本では当たり前だと考えられている。だから、自分でメッセージを抱え込むメールが重要視される。また、閉鎖した空間でやり取りを楽しむLINEの人気にもつながっている。

こうした特性があるので、グループウェアを使った協動が導入されにくいのだろう。

いずれにせよ恊働の問題を解決しないと、いつまで経っても社会運動が広がりを持つことはできないだろう。すると「NHKがとりあげてくれない」と文句を言い続けるだけになってしまうのではないかと思う。NHKを大勢で囲んでも問題は解決しない。で、あれば問題点を共有する仲間で運動を広げた方が手っ取り早いのではないかと思う。

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