ファッションについて調べている。現在のファッションは定番化と部族化が進んでいる。だから、普通の人がファッションデザインについて調べると、自分の半径500mくらいで「定番」が決まってしまうことになる。だが、たとえば、定番のカジュアル服と言ってもアメリカと日本ではかなり違っているし、日本でもMens Non-noとBitterでは異なっている。だから、選択肢が狭まるのはちょっと危険なことなのかもしれない。
最近、Pinterestの面白い使い方を見つけた。例として作ったのがアバンギャルドというコレクションだ。多分、正式な名前ではないと思う。アバンギャルドには幾つかの特徴がある。
- 概ねモノトーンである。
- ドレープを使っていて芯がない。
- 形はアシンメトリーなものが多い。
- パンツが太いことが多く、フードを使ったものもある。
アバンギャルドといっても、全く革新的なものではない。もともとは砂漠の遊牧民と着物からインスピレーションを受けているのだろう。つまり「巻きつける系」の衣服を洋服として再アレンジしたものである。最近ではD Squared2が日本をモチーフにしたようなショーを展開したことからわかるようにメインストリームでもちょくちょくと取り入れられている。
さて、ここまでは普通のコレクションなのだが、Pinterestはコレクションから同じような形のものをお勧めしてくれる。タイムラインに表示されたり、メールでのお知らせが来る。ポイントは「最初のキーワード」と違っても、なんとなく似たようなものがレコメンドされると言うことだ。そこからキーワードを拾って行けば、それがそもそも何のコレクションなのか分かるのである。
アバンギャルドと名づけたコレクションは、もともとパリコレに着物のデザインが導入されたことが源流にあるのではないかと思われる。これがSF映画に乗って広まり「未来風の」デザインという印象が生まれたのではないだろうか。