ゲレンデという変な言葉がある。スキー場の中にある滑降コースのことだ。なぜゲレンデというのだろう。
もともとスキーはノルウェーで雪山を移動するための技術として発展したそうだ。ノルウェーのスキーは今でもノルディックスキーという競技名で残っている。クロスカントリーの他にジャンプ競技を含むそうだ。一方アルプス圏では山を滑降するアルペンスキーが人気だという。
日本のスキーは軍事技術としてオーストリア経由で導入された。オーストリアのテオドール・エードラー・フォン・レルヒという方が日本に持ち込んだとのことだ。もともと娯楽とみなされていたオーストリアのスキーは徐々に軍事技術としての役割が強調され、八甲田山の事故などを受けて日本でも注目された。このためドイツ語由来のスキー用語が多く残っている。ゲレンデはドイツ語でGeländeと綴るそうだ。
ドイツ語の成り立ちとしてゲレンデはゲ+ランドということで、集合的な土地という意味しかないという。英語のグラウンドと似ているなあと思ったのだが、gRandなので関係がなさそうである。英語のグラウンドには「基底」という様な意味があり、校庭のグラウンドなどのように使われる場所は「硬くて乾いている」というようなニュアンスがあるという。ゲレンデで検索をかけるとwikipediaの地形図の項目が出てきた。ドイツ語では起伏のある土地くらいの意味しかないようなので、正確にはスキーゲレンデと言わなければならないらしい。
さて、ゲレンデがドイツ語由来だということはわかったのだが、英語ではなんというのだろうか。スキー場はスキーリゾートとかスキーエリアと呼ぶようだ。Wikipediaにはスキー場にはピスト(piste)やスキー・トレイルがあると書いてある。さらに、ピストはもともとフランス語経由で英語のトレイルの意味だという。つまり、英語ではトレイルと呼び、ちょっと洒落てピストともいうのだろう。イギリスにはスキー場はそれほど多くなく、やはりアルプス圏(スイス、オーストリア、イタリア、フランス)などが本場のようだ。