れんほーさんとテレビ

うちの家族(ネットしない)がNHKに出てくる蓮舫代表を見て「この人いつもきついわね」と言った。いつも姿勢がよくやせているので首筋が目立つ。この言葉を聞いて蓮舫さんは損をしているんだろうなあと思った。

このところ政治は演劇学の分野に移りつつあると思う。トランプ新大統領はこれをプロレスの興行から学んだようで、ヒールとして人気を集めた。だが、蓮舫さんは役割やルックスがベビーフェイスなのにヒールの役割になっている。これがうまく噛み合っていないのだろう。

蓮舫さんがきつい女に見えるのは、本人の発信方法が悪いというより、テレビのせいだ。安倍首相が「〜しました」というニュースがあり、それを「公平に伝える」ために野党の発言が使われる。それは必ず批判なわけで、いつもきつい顔できついことをいう女という印象がつく。役割としては「ヒール」なのだが、なんかヒールっぽくない。だが、それが民進党のイメージになってしまうわけだ。悲しいのは誰も中身を聞いていないという点だが、これはもう仕方がない。

意外と中の人は気がつかないんじゃないだろうか。なぜなら本物の蓮舫さんは双子の母親であり優しい側面も持っている。定期的にジョギングしていてスタイルを保っている。直接見たことはないがきっと綺麗な人なのだろう。さらに、Twitterでも犬の写真が出てきたりするので、まあいろんな側面があるんだろうなということはわかる。でも、テレビを見ている人って、もっと漠然とキャラ付けしているのだ。

これ、どうやって解消すべきなのだろうかと思った。NHKは公平性を期するために自動的に野党党首の発言を入れているわけで、偏向報道とまでは言いきれない。特にNHKは政治には興味はないので、どこか扱いがおざなりである。だから「こういう扱い方はするな」とは言えない。

一つにはニュースバリューのある活動を政府とはリンクさせずに行うという手がある。多分「もうやっている」のだろうが、伝わってはこない。でも、それをやり続けるしかなさそうだ。結局自分の舞台でしか主役にはなれないからだ。

逆にニコニコ笑いながら会見をすると「実際には容認している」とか「自民党の補完勢力なのだ」などと言われかねないわけで、なかなか難しいところである。あとは呆れた調子で淡々と諭すような論調にするという方法もあるだろう。つまり同じ目線に立たずに上からゆくわけである。このところの安倍政権の政策はどれも行き詰っているので、結構効果があるのではないかと思う。今の民進党は自民党に巻き込まれているのだろう。

そういう意味ではきつく見えない小池百合子都知事はうまいと思う。早くから都議会自民党をヒールに仕立て上げて自分はベビーフェイス側の立ち位置を作った。でも、女性が見ているのはどうやら中身ではなく、服の色やアクセサリーらしい。「ちょっと前に出すぎている」のではないかみたいな印象を持っているようだ。男性は小池さんの発言を聞いており、でっかい首飾りなんかみていないのだが、女性は発言は聞いていなくても、スーツの色なんかをチェックしているのだ。そして、それが投票行動に影響してしまうのである。

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