よく家のブロック塀のような所にこんぺいとうのようなピンクの花を咲かせる雑草が生えている。実はこの雑草にはポリゴナムという名前が付いている。和名をヒメツルソバというそうだ。
ポリゴナムは他の草が生えなさそうなところに群生している。どうやら夏の暑さにも冬の寒さにも耐えるらしい。それほど日当りはなくても大丈夫なようだが、じめじめした木の根もとなどは苦手なようだ。どちらかといえば荒れて乾燥したところに生えている。ほんのちょっとした隙間に種が潜り込む。
ポリゴナムはタデの仲間である。つまりソバの近縁だ。ソバも荒れ地に生えることで知られているのだが、親戚であるポリゴナムも栄養の少ない荒れ地で生きてゆけるらしい。逆に栄養の良すぎる土地では他の植物に駆逐されてしまう可能性があるということになる。
実はこの花は外国原産らしい。日本語の情報では「ヒマラヤ原産であり、ロックガーデン用に明治時代に輸入された」という情報が広まっている。英語版のWikipediaではアジア原産だと書いてある。オーストラリアやアメリカにももたらされて自生しているらしい。
さて、この雑草の名前を知ったのは実はホームセンターなどで売られているからだ。価格は199円であった。花よりも高い値段で売られているのだ。
不思議なもので名前と値段が付いているとなぜか雑草扱いしたくなくなる。
よく「素人でも育てやすい園芸植物はありませんか」と聞くガーデニングの素人がいるのだが、実際には「増えすぎて困る」ものもあるのである。ポリゴナムもそのような植物の一つだ。